本格的なマリンレジャーのシーズンが訪れているが、海難事故の危険と隣り合わせだ。沖縄の特徴の一つは、サンゴ礁で囲まれた海岸沿いで起こる「リーフカレント」と呼ばれる離岸流。巻き込まれると、あっという間に沖へ押し流されてしまう。第11管区海上保安本部の体験会に12日、本紙記者が参加した。

■あっという間に沖へ

リーフカレントで流され、抵抗できなくなる本紙記者(中央左)=12日、糸満市大度海岸

 離岸流は、岸から沖に向かう逆流。波は基本的に沖から海岸へ打ち寄せるが、ある地点でまとまって逆流する。県内では昨年、9人が離岸流による事故に遭い、1人が亡くなった。

 沖縄では、サンゴ礁の切れ目から海水が沖へ流れ出すリーフカレントが発生しやすい。

 12日午前10時、糸満市の大度海岸に集合し、離岸流が多発するエリアを確認した。海面を見ただけでは海流が分からない。ライフジャケットを着用して海に入ると、沖へ流され始めた。

■一向に前に進まず

 

 初めは子ども向けの「流れるプール」にいる感覚だった。「泳げば戻れそうだな」。だが岸へ泳いでも一向に前に進まない。疲れて息継ぎの時に海水を飲んでしまい、泳げなくなった。

 20メートルほど流されると海流が強まり、全く戻れなくなった。「うおー」。怖くなり叫んでしまう。「落ち着いて」と救難士に声を掛けられた。救助されて陸に上がると、息苦しく動けなかった。

■万一、流されたら

 11管の交通安全対策課によると、離岸流に流されたら流れを横切って岸と平行に泳ぐか、浮いて流され沖合に出てから落ち着いて戻るしかない。水泳の五輪選手でも流れに逆らい岸へ戻ることはできないが、流される距離は最大で数百メートルという。

 同課はマリンレジャーの際は(1)必ずライフジャケットを着用(2)最新の気象情報を確認(3)スマートフォンの防水パックなどを活用し連絡手段を確保-するよう求めている。万一、流されて抵抗できなくなった場合は「浮いて待ってほしい」と呼び掛けている。(社会部・矢野悠希) 

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