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8月にはかつてない規模の流行へ? 専門家が危ぐする沖縄の感染拡大

2021年7月28日 07:19

 沖縄県内で27日、新型コロナウイルス感染拡大を防ぐ緊急事態宣言期間中にもかかわらず、1日の新規陽性者が過去最多の354人に上った。県の疫学統計・解析委員会は同日、感染者1人が平均何人にうつすかを示す沖縄本島の「実効再生産数」を2・07と推計。「新たな社会的介入(対策)は取られていないためさらに増加し、来月上旬にはかつてない規模の流行へと至る」と予測している。

那覇市の中心市街地

県の新型コロナ判断指標と現状

那覇市の中心市街地 県の新型コロナ判断指標と現状

 同委員会は19~25日のデータから実効再生産数を計算し、今週(26日~8月1日)の新規陽性者は計1500~2千人に上ると見通した。週2千人となれば、単純計算しても7日連続で300人近い陽性者が出ることになる。県内のワクチン接種率は「集団免疫に達しておらず、このまま大きな流行に至った場合は、多くの重症者や死亡者が発生することが予測される」と分析した。

 県によると、27日確認した陽性者354人のうち無症状の人は50人程度いるというが、医療提供体制の拡充は急務だ。県の糸数公医療技監は「できるだけ自宅ではなく、医療スタッフのいる場所で療養してもらうため、宿泊療養施設の拡充が必要だ」と話す。

 県によると、27日までの感染者の多くは、7月の4連休前に感染の機会があった。会食を通して感染した人が、それぞれの家庭や職場に持ち帰り広がったという。

 台風の影響で、人の移動や接触が一定抑制されたとみられる4連休の影響は、まだ未知数だ。

■40~50代の重症増加か

 中部徳州会病院・新屋洋平医師の話 中部ワクチンの影響で高齢者の新型コロナウイルス入院患者は減っている実感はあるが、今後は感染急拡大で40~50代の重症患者が増えるだろう。過去の流行の波とは違う形の医療逼迫(ひっぱく)を懸念している。

 これまでは主に重症化するのが高齢者だったため、人工呼吸器などによる延命治療を求めない人が少なからずいた。一方、これから増加が想定される64歳以下は延命治療を求めないことが考えにくい。集中治療室や人工呼吸器など県内医療機関の対応能力を超える重症・中等症患者が出て、治療が行き届かなくなる事態が起きかねない。

 ワクチンにより新型コロナにかかりにくく、うつしにくくもなるが、完璧な防御ではない。「鼻水が出るだけ」「喉が痛くなるだけ」など症状が軽くなる分、発症に気付きにくく、仕事や外出を続けてしまう人もいて、かえって注意が必要だ。県民一人一人がワクチン接種の有無にかかわらずマスク着用を徹底し、少しでもコロナを疑う症状があればすぐに自宅で休んでほしい。ワクチンによる予防は第5波の急拡大に間に合わないが、後の流行拡大を抑えるためにぜひ接種してほしい。(談)

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