[ニュース断面]

 名護市辺野古の新基地建設を巡り、沖縄防衛局は夏のただ中に当たる29日にサンゴ移植に着手した。最高裁判決に従い、県が28日に許可した翌日の実施で、用意周到に準備してきたことをうかがわせる。県は、移植に不適な高水温期や台風シーズンは避けるとの条件を反故(ほご)にするような対応に「あり得ない」(県幹部)と反発を強め、行政指導する構えだ。

 「まさか、きょう始めたのか」。報道を通じ移植着手を知った県幹部は絶句した。県が付した条件では着手できないはずだからだ。

 県の担当者は、高水温の目安として「サンゴの種類にもよるが30度」とする。「今は30度なくても、これから水温が上がる時期。移植でただでさえ弱るのに、さらにストレスになる」と話す。台風が来れば流されてしまう懸念もある。

 サンゴに詳しい東京経済大学の大久保奈弥准教授(生物学)は「30度以上が1週間続けば元気なサンゴでも白化する。この時期の移植は論外」と指摘する。...