高校生が写真の腕前を競う第28回全国高等学校写真選手権大会「写真甲子園2021」の審査会が29日、オンラインで開かれ、沖縄工業高校が初優勝した。県勢の優勝は通算8回目。出場した選手が自分の高校以外の学校に投票する「選手が選ぶ特別賞」にも輝いた。

写真甲子園で優勝した沖縄工業高校写真部の作品。うるま市・宮城島の民家の日常を切り取った(写真甲子園実行委員会提供)

写真甲子園で優勝と特別賞のW受賞に輝き笑顔を見せる沖縄工業高校の(左から)仲嶺百合菜さん、平良有理佳さん、小林沙樹さん=29日、那覇市の同校

写真甲子園で優勝した沖縄工業高校写真部の作品。うるま市・宮城島の民家の日常を切り取った(写真甲子園実行委員会提供) 写真甲子園で優勝と特別賞のW受賞に輝き笑顔を見せる沖縄工業高校の(左から)仲嶺百合菜さん、平良有理佳さん、小林沙樹さん=29日、那覇市の同校

 例年、北海道を舞台に高校生が写真の腕前を競うが、今年は新型コロナウイルス感染拡大防止のためオンラインで開催。全国の各ブロック予選を突破した18校が期間内にそれぞれの地元で撮影した作品を送り、プレゼンテーションした。

 沖縄工業高校写真部の3人はうるま市の浜比嘉島や宮城島などで島の人たちの生活を写真に収めた。キャプテンの平良有理佳さん(2年)は「地の利を生かし、沖縄らしさを前面に出せたと思う。優勝できるとは思わなかったので本当にうれしい」と涙を拭った。

■父の勧めで、コロナで、

 写真甲子園で優勝と特別賞のダブル受賞に輝いた沖縄工業高校写真部の平良有理佳さん(2年)、仲嶺百合菜さん(3年)、小林沙樹さん(1年)の3人。オンライン表彰式で優勝が伝えられると手を取り合って喜びの涙を流した。

 父の勧めで中学2年から写真を始めたというキャプテンの平良さん。作品の締め切りが迫る中、熱中症寸前になりながら撮影に挑んだ。「いつもなら1日800~千枚は撮影するのに、80枚しか撮れなかった。キャプテンの役割を果たせなかったが、仲間に助けられた」と照れ笑い。

 うるま市の伊計島や南城市の奥武島などを突撃取材し、島の人の日常を写真に切り取った。作品では沖縄の強い日差しと影のコントラストを表現。沖縄に生きる人々の表情を浮かび上がらせた。

 仲嶺さんは2年生の10月まで放送部に所属していたが、新型コロナウイルスの影響で発表の機会がなかったことから写真部に移籍した。1週間に400枚以上を撮影するほど熱中し、短期間でメキメキと実力を付けてきた。撮影よりも写真を選ぶ方が大変だったといい「今後も好きな写真を撮っていきたい」と意欲。小林さんも「W受賞は本当にうれしい」と涙を見せた。

 顧問の仲眞富夫教諭は「写真の技術は未熟だが、生徒たちの情熱と、快く撮影に応じてくれた沖縄の人の温かさで優勝できたと思う」と評した。

 「写真甲子園」の考案者で1日に死去した写真家の勇崎哲史さんから指導を受けた宜野湾市出身の写真家、石川竜一さんは「地元の人が地元と向き合うことは大切。沖縄の高校生が活躍することに勇崎さんも天国で喜んでいると思う」と受賞を喜んだ。