[森どぅ宝 世界自然遺産登録 3紙合同連載](3)

 奄美大島南部から、国道58号の帰路を急ぐ夜道で、車のスピードが出ていることに気付いてアクセルを緩めた。制限速度を守っていても、暗い道は見通しが悪く、路上に生き物がいると避けるのは難しい。普段通る国道や県道でも、希少動物のロードキル(交通事故死)が発生しているため、用心するようになった。

 奄美大島では2020年、アマミノクロウサギのロードキルが50件に上った。前年の23件から倍増し、環境省奄美野生生物保護センターが開所した2000年以降で最多となった。今年も6月末時点で22件と、前年同期の19件を上回っている。

 事故の増加は、野生生物を襲うマングースの駆除や、野生化した猫(ノネコ)の捕獲など、保護対策が進んだことで、クロウサギの生息数や生息域が回復していることが一因とみられる。近年は森の中の林道にとどまらず、交通量が多い国道などでも事故が確認されるようになった。...