社説

社説[コロナ緊急共同声明]命守るため今は自制を

2021年8月3日 07:05

 新型コロナウイルスの感染急拡大を受け、県や県市長会、県医師会、県経営者協会など12機関・団体が「緊急共同メッセージ」を発表した。

 「全ての県民の皆様へ」宛てたメッセージは(1)2週間は外でも家でも集まらず(不要に)出掛けない(2)他の都道府県や離島との往来は帰省を含めてやめる(3)ワクチンを積極的に接種する-よう求めている。

 発表の場には玉城デニー知事とともに市町村や経済界、医療界の代表もそろった。立場を超えて一つにまとまり共同メッセージを発信したのは、現状への強い危機感を共有していることを県民に示すものだ。その意味は小さくない。

 県内では新規感染者数が1日まで連日300人を超え、7月31日には過去最多の439人に上った。療養中の患者数も3千人に迫る勢いだ。

 緊急メッセージは、新規感染者が人口比で全国最多、海外ではロックダウン(都市封鎖)相当のレベルだと強い表現で沖縄の深刻な状況を示した。

 5月に発令された国の緊急事態宣言は延長が繰り返され、発令期間は既に2カ月を超えた。県民の間には「自粛疲れ」や「宣言慣れ」が漂う。

 だが、救えるはずの命が救えなくなる医療崩壊が現実味を帯びている。何としても食い止めなければならない。

 その瀬戸際にある現在、メッセージに名を連ねた各機関・団体には、共有した危機感をどれだけ県民に広げられるか、行動の変容につなげられるかが問われている。

■    ■

 感染抑制で鍵を握るのは若い世代だ。7月24~30日の県内新規感染者は20代と30代を合わせて46%に上った。県によると、この世代は飲酒を伴う会合やランチ、ドライブでの感染が目立つという。

 もともと行動が活発な世代で、自制を求めるには今が正念場だと繰り返し強く訴える必要がある。

 気になるのは緊急共同メッセージでも発信されたワクチン接種だ。高齢者は7割超が2回目の接種を終えたものの、全年代では1回目の接種を受けた人は3割に届いていない。

 ワクチン不足で接種が思うように進まない状況が県内でもみられる。県には供給の加速を国に働き掛け、自治体の円滑な接種を支えてほしい。

 メッセージは往来の自粛を求めているが、既にチケットを予約した人もいるはずだ。何の補償もなくやめろというだけでは危機感は伝わっても共感は得られない。

■    ■

 感染力の強いデルタ株の影響で、感染急拡大の波は首都圏から全国に広がりつつある。

 政府は緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の対象地域を拡大しているが、人出の減少は限定的だ。政府の呼び掛けへの協力は十分得られていない。

 菅義偉首相は不要不急の外出を控えるよう呼び掛けながらも「五輪開催との矛盾」の指摘を避けるかのように強いメッセージを発してこなかった。その責任を重く受け止めなければならない。

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