沖縄県の糸満市内にある「耳鼻咽喉科かおる医院」院長で医師の新垣香太さん(43)が、新型コロナウイルス感染症の収束と子ども支援をつなげた地域支援に取り組んでいる。ワクチン接種1回当たり100円を子ども支援団体に寄付する試みで、既に15万円分の寄付先を決めた。「集団免疫確保で接種できない12歳未満の感染を防ぎ、子ども食堂などの支援で子の貧困問題解決に協力できたら」と語る。(南部報道部・又吉健次)

新型コロナウイルスのワクチンを注射する新垣香太医師=7月30日、糸満市潮平・耳鼻咽喉科かおる医院

 新垣さんが2代目院長を務める同院は今年で開院30周年。地域に支えられてきたという感謝の思いが支援のきっかけだ。子どもの貧困が長年問題になる県内で、コロナ禍が厳しさに追い打ちをかけていると考えた。7月半ばに同院理事長で父親の馨さん(70)と相談し、寄付を決めた。

 贈呈金はワクチン注射の打ち手である医師に国から支給される対策費から充てる。同院は4月20日から接種を実施しており、8月3日には2248回に達した。休診日には市の集団接種に参加するなど積極的に取り組んでおり、11月には5500回、寄付額55万円を見込む。

 支援先は複数を予定しており、1回目は市賀数の「子どもカフェ@よつば」を選んだ。コロナ禍で毎月1回だけ開かれ、弁当のテークアウトになった子ども食堂には親子ら約80人が訪ねてくる。蔵盛裕司代表理事(36)は「15万円の寄付は大きい。子どもたちが楽しめるイベントも少なくなっているので、8月は奮発して夏祭りを開きたい」と喜ぶ。

 新垣さんは、同院を母体に子ども支援に取り組む「カフー・プロジェクト」を4月に立ち上げており、今回の寄付は市内のジュニア・バドミントンチームへのTシャツ寄贈に続く第2弾になる。「子ども支援はこれからも続けていきたい。他の医療施設でもワクチン注射の度に寄付をしたら支援額も大きくなる」と活動の広がりを期待した。