「おばあちゃんのように苦しんでいる人の役に立ちたい」-。沖縄県豊見城市立ゆたか小学校2年の村方くるみさん(7)はこのほど、病気や事故で髪の毛を失った子どもたちに髪を寄付する「ヘアドネーション」のために、生まれてから伸ばし続けてきた髪を切った。5年前に64歳でがんで亡くなった祖母・洋子さんが闘病中、人毛のかつらを必要としていたことが寄付のきっかけ。祖母へ髪を渡す夢はかなわなかったが「別の誰かの喜ぶ顔が見たい」と前を向く。

祖母のために伸ばした髪をカットした村方くるみさん=豊見城市内

故村方洋子さん(提供)

祖母のために伸ばした髪をカットした村方くるみさん=豊見城市内 故村方洋子さん(提供)

 鹿児島県に住んでいた洋子さんは7年前に胃がんを発病。抗がん剤治療のため髪の毛が抜け落ち、ショックを受けていたという。合成繊維から作られた人工毛ではなく、見た目が自然な人毛のかつらにこだわっていた。

 「孫たちの髪の毛でおばあちゃんのかつらが作れればいいね」。親類同士の集まりでそんな話になり、鹿児島に住むいとこ2人と一緒に髪の毛を伸ばし始めた。程なくして洋子さんは帰らぬ人になったが、祖母の思いを別の誰かに受け継ごうと髪を伸ばし続けた。

 目標とする50センチまで伸びたため、市内の美容院を初めて訪れ、自慢の長髪をカットした。くるみさんは「一生懸命伸ばしたので、切れて良かった。誰かの役に立てばうれしい」と笑顔で話す。

 母の麻戸香さん(36)は「くるみは母にとてもかわいがられていたので、天国で喜んでくれていると思う」としんみり。「母と同じように人毛を必要としている人は多いと思う。一人でも多くの人が笑顔になれば」と願った。