沖縄国際大学に米海兵隊のCH53D大型輸送ヘリが墜落して13日で17年。沖国大へのヘリ墜落以降、普天間所属機の墜落や不時着、緊急着陸は、本紙調べで少なくとも36件起きている。事故のたびに県や宜野湾市など関係市町村は実効性ある再発防止策や安全管理の徹底などを求めるものの、具体的な取り組みは見えてこず、日本政府や米軍が言う「飛行の安全」は形骸化している。

 今年6月、普天間所属のUH1ヘリがうるま市津堅島の畑に不時着した。県や宜野湾市は実効性のある再発防止策や安全管理の徹底などを求め、県議会、宜野湾市議会なども抗議決議している。

 こうした事故のたびに沖縄防衛局や外務省沖縄事務所は「米軍の運用にあたっては、安全の確保が大前提」との認識を示すが、その後も事故は繰り返されている。抗議決議から間もない7月には宮崎県串間市の農地に普天間所属のAH1が不時着した。外務省沖縄事務所で津堅島の不時着事故に抗議した上里広幸宜野湾市議は「安全が大前提であるというが、安全性に問題があると言わざるを得ないない」と、米軍の管理体制への疑念を隠さなかった。

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 2018年1月は普天間所属ヘリの不時着が相次いだ。防衛省と在日米軍は同11月、自衛隊機と米軍機の飛行安全に関する日米専門家会合を初めて開いた。

 日米共にパイロットや整備の経験者ら専門家が出席し、定期整備手順、緊急着陸に対する考え方などを共有することを目的としたものだ。

 防衛省によると、これまで開かれたのは初会合の後、19年2月、20年2月の計3回。会合の詳細な内容は明かされていない。防衛省関係者は、緊急着陸などが断続的に発生していることから「まだ議論の途中という感じだが、何か具体策を打ち出していかないといけないと思う」と話す。

 津堅島や宮崎県での不時着に関し、米軍は「予防着陸」とし、安全に着陸したことを強調する。

 米軍は、緊急着陸や不時着を「予防着陸」と表現することが多い。沖国大の事故は「緊急着陸」しようとしたが、結果的に墜落した。

 県幹部は「予防着陸と言われても、一歩間違えれば大惨事だ。われわれからしてみれば『安全な着陸』とは捉えられない」と話し、早急に実効性ある対策が必要だと強調した。

■「固定化あってはならぬ」 宜野湾市長    

 米軍普天間飛行場に派遣されていた米海兵隊のCH53D大型輸送ヘリが沖縄国際大学構内に墜落・炎上してから17年。宜野湾市の松川正則市長は13日、市のホームページで「まちのど真ん中にある普天間飛行場の固定化・継続使用は絶対にあってはならない」とのコメントを発表する。コメントは昨年と同文。

 市長は「将来の子どもたちの未来のために、責任を持って普天間飛行場の返還を確実に実現する」とあらためて決意表明。返還されるまでの間の危険性の除去と基地負担の軽減にも「あらゆる方策を講じて粘り強く取り組む」と述べた。

 日米両政府は1996年に普天間飛行場の全面返還に合意したが、ヘリ墜落から17年たっても実現しておらず、その後も「市民の不安がなくなることはない」と指摘。例として2017年12月、普天間第二小の校庭にCH53E大型輸送ヘリの窓が落下した事故や、昨年4月、人体に有害な有機フッ素化合物PFOS(ピーホス)を含む泡消火剤が飛行場から市街地へ大量に漏出した事故を挙げた。

 深夜の米軍機騒音や飛行場を迂回(うかい)しなければならない交通体系にも言及し、「市民の負担がすでに限界を超えていることは明白」と訴えた。