7月に沖縄島北部(やんばる)が、奄美大島や徳之島、西表島とともに世界自然遺産に登録されました。地元としても非常に喜ばしいことですが、具体的な保全対策については課題が残されたままです。過去に国頭村でも森林の入域区分や保護、利活用するエリアを示した「ゾーニング計画」を作成していますが、生かされていません。コロナ禍の今は、考える時間を大事にして、早急に保全に向けた戦略を練っていくべきだと考えています。まずは「ゾーニング計画」の条例化を求めています。

 また、保全活動をする上で、重要なのは人の流れですから、国頭、大宜味、東の三村だけではなく、北部の玄関口となる名護市、本部町とも連携し、北部全体の枠組みでどれだけの人が入ってくるのか把握し、対策を図る必要があります。

地域ガイド」やドローンの活用で環境を守る

 国頭村観光協会としての新たな取り組みとしては、村の公認ガイドに続く「地域ガイド」を考えています。村内20集落で、それぞれの自然や芸能、文化について訪れた人に説明する仕組みを作りたい。そうすることで、集落への訪問客数もわかります。観光協会では旅行社など団体客の流れはつかめますが、個人客の把握は難しいので、地域ガイドと連携した情報共有をしていきたいですね。コロナが落ち着いたら、国頭、大宜味、東の三村のガイドが集まって情報交換する場も持ちたい。それぞれの地域の良さを認め合いながら、現場でスクラムを組めたらいいなと思っています。

 

 もう一つはドローンの活用です。定期的にドローンを飛ばすことで、密猟対策だけでなく、人の動きのデータを集め「見える化」していこうと考えています。データを基に、人が入りすぎているエリアには規制をかけ、保全につなげていくことができます。導入にはまだ時間がかかりますが、準備を進めています。

自然の良さを理解している人に来てもらう

 

 観光との両立を考えた際、強く思うのは「薄利多売」ではダメだということ。多くの人を入れればいいということではなく、自然の良さを理解している人に来てもらうのが良いと思います。自然は一度破壊されてしまうと、元に戻るのに半世紀以上かかるといいます。自然を守ることを第一義的に考えて、それを活性化につなげていくことが何より大切だと思います。(国頭村観光協会・比嘉明男会長)