8月15日、沖縄タイムスの広告に目が留まった。高校野球の夏の甲子園の応援特集。沖縄代表の私立沖縄尚学高校が初戦を迎える16日は新聞休刊日に当たるため、1日早く掲載されていた。その中で、ひときわ文字の小さい広告だった。

「この広告を出して5年。まだ誰からも連絡が来ません。なにをご馳走すると言えば君たちから連絡が来るのか私は思いつかないので、ヒット打った子はひとり1500円以内で食べたいものをDM(ダイレクトメール)しなさい。おばさんがご馳走するからね。頑張ってきなさいよ。株式会社エレファントライフ ともりまゆみ」

このような広告を5年も出している人がいるのか。しかも、球児から返事がないなんてー。おもしろすぎる。広告にあったQRコードを読み取ってみると、友利さんにDMを送るページが開いた。「広告を見て、興味を持ちました。取材したいです。明日の試合、一緒に観戦しませんか」と恐る恐る書き込んだ。

沖縄尚学の初戦は16日の第3試合。徳島県代表の阿南光との対戦。不動産に関する相続、資産活用、税金などの相談に応じているエレファントライフ代表の友利真由美さん(44)から「一緒に観戦した方が楽しいので、ぜひ来てください」との快諾を得たのは当日のことだ。私は、事前に2016年から友利さんが出しているという広告を沖縄タイムスのデータベースで調べてみた。

自宅から、友利さんの事務所がある浦添市へ向かう車を運転しながら、過去の広告を見た私は、彼女の並々ならぬ「高校野球愛」を感じていた。野球部の元マネージャーか、初恋の相手が球児か。野球一色の青春時代を送ったのではないか、と想像した。

到着したのは3階建てビルの2階にある事務所。テレビの野球中継ではちょうど1回表が終わり、當山渚投手が無失点で切り抜けた直後だった。友利さん以外のスタッフ2人は、パソコンに向かって仕事をしているようだ。その横で「沖縄代表の試合が始まると沖縄の道路では車が走らなくなり、電話もかかってこない。みんなで応援するからね」と屈託のない笑みを浮かべた女性こそ友利さんだった。...