新型コロナの感染拡大で、宮古島を訪れる観光客も激減しました。バスガイドとして約30年になりますが、こんな状況は初めてです。秋から春にかけては観光バスのシーズンですが、ことしは3月中旬からパタッとなくなりました。ツアーで巡る定番コースの、伊良部大橋・来間大橋・池間大橋の三つの橋、砂山ビーチ、東平安名崎だけでなく、海岸線はどこから見ても素晴らしいし、「宮古ブルー」の海は、まさに「ずみ!(最高)」。そんな島の自慢の風景を案内する機会が減り、本当に寂しいです。

バスガイドとして活躍する与那覇冴子さん=2019年12月撮影

 一方で、感染者数は増え続けています。私も含め、観光に携わる人たちが大変な状況であるのは痛いほどわかりますが、今は一人一人が感染予防を徹底し、移動を控えるなど気を付けないといけない時期だと思います。心から願うのは、早くこの状況が収束し、また観光客の方が島に来てくださることです。お客さまの「ありがとう、また来ますね」という言葉をいただく時が、一番うれしい瞬間ですから。

時代が変わっても 伝えるのは島の不屈の精神

 バスガイドを続ける上で大切にしていることは、島の歴史や文化を築いてきた先人たちの思いにふれることです。台風や干ばつ、人頭税など島には苦難の歴史がありましたが、島民は心を一つに協力し、乗り越えてきました。そう思うと、とっても自分の島がいとおしく感じられるんですね。時代が変わっても、受け継がれてきたアララガマ精神(不屈の精神)を伝えたいと思っています。

 

 「んきゃんぴとぅ とぅつきんな あまいすゃにゃん(先人たちの教えには無駄が一つもない)」というように、島にはたくさんの「んきゃーんじゅく(黄金言葉)」があります。その中から、みなさんに「ぱりんあみてぃやにゃん うやあんきずてぃやにゃん(あがらない雨はない、治らない傷はない)」という言葉を伝えたいです。

 あがらない雨がないように、癒えない傷がないように、いつかコロナも収束する日が来るでしょう。その時は、これまで我慢していた分の思いを込めて島でお迎えしたいです。「コロナの時は大変だったね」と、みなさんと振り返れる日を思って、1日でも早いコロナの収束を願っています。

宮古島バスガイド 与那覇冴子(八千代バス・タクシー)

制作・沖縄タイムス営業局