[視点]

 米軍はPFOSを含む汚水を浄化したとして排出した。PFOSは発がん性が指摘され、自然界ではほぼ分解されず体内に蓄積されることから「フォーエバー・ケミカル(永遠の化学物質)」とも呼ばれる。地元の不安を無視した許されない行為だ。

 同時に、一国家が自国に駐留する他国軍をガバナンスできない異常な実態が改めて鮮明に浮き出た。

 日本政府は、東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出を関係閣僚会議で決定した。放出の是非は別に、国際原子力機関(IAEA)の監視を入れ、風評被害への懸念払拭(ふっしょく)には国の責任で努めるとした。

 放射性物質と有機フッ素化合物の違いはあるが、住民の目に見えない物質への不安は通底する。

 だが、PFOS汚水放出に日本政府は責任を持たない。...