タイムス×クロス 平安名純代の想い風

民意が通じないトランプ政権 新基地阻止は30日以内が山[平安名純代の想い風]

2017年2月1日 06:00

 故ダニエル・イノウエ上院議員の生前、議員会館にあった同氏のオフィスに米太平洋軍の幹部らがよく足を運ぶことに気づいた。

 イノウエ氏はハワイ州出身だから太平洋軍に門戸を開いているのだろうと思っていたのだが、ドアを開けて通じる道はイノウエ氏のオフィスだけではなかった。

 米軍が予算を獲得するには、本来ならば連邦議会における煩雑な手順を踏む必要がある。しかし、議会の財布のひもを握る存在といわれたイノウエ氏とのダイレクトなパイプをフルに活用することで、太平洋軍は他軍よりも優遇される状況を作り出していった。

 トランプ米大統領の就任式が執り行われる2日前、首都ワシントン市内である晩さん会が開かれた。主催者のペンス副大統領は、トランプ政権で実権を握るだろうといわれている人物で、海兵隊員の息子を持つ。ワシントンではペンス氏と海兵隊の距離が近いのは知られた話だが、海兵隊出身のマティス国防長官を筆頭に、同隊幹部らの姿が多いのをみて、私は前述したイノウエ氏と太平洋軍の関わりをゆっくり思い出していた。

 トランプ氏が就任以降、乱発する大統領令をみると、環境破壊、移民排除、米軍再建といった主要な柱が見えてくる。

 「力による和平」を追求したいトランプ氏は、強い米軍を再建するため、30日以内に現状を検証し、60日以内に新たな再建計画を提出するようマティス新国防長官に命じた。

 米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設計画は、翁長雄志知事による埋め立て承認取り消し処分の取り消しで工事が再開された。米側は裁判という大きな「支障」が取り払われた今、計画そのものを青信号とみなしているようだ。

 新基地建設を阻止するには、30日以内にマティス氏に心変わりさせる「何か大きな変化」が必要だ。めまぐるしく変化する米側の状況を考慮せず、沖縄の事情だけで物事を進めようとすれば、船に乗り遅れることになる。

 知事はこれまで沖縄の民意を強く訴えてきた。しかしトランプ氏は民意を無視し、自国民をも差別する大統領だ。遠い沖縄の民意や差別的状況を訴えても聞く耳すら持たないだろう。

 米国内で日々、トランプ新政権に対する衝撃や不安や動揺が広がるなか、翁長知事の3度目の訪米要請行動が始まる。(平安名純代・米国特約記者)

沖縄県知事 翁長雄志の「言葉」

沖縄タイムス社 (2018-09-13)
売り上げランキング: 64,807

もっと詳しく。有料会員ならこんな記事も読めます。

 「やばい、知事の遺言が残ってた」動揺する記者 急転直下、裏取り急ぐ

 名護のトラウマ 沖縄知事選「接戦」報道に疑念 予想的中した現場感覚

 「なぜあんたが出ない」革新側に吹き続けたすきま風 宜野湾市長選の舞台裏

購読者プラン/デジタル購読者プランの会員なら、電子新聞も有料記事も読み放題! 

前の記事へ 次の記事へ
沖縄関連、今話題です(外部サイト)
JavaScriptをOnにしてください
注目トピックス
高校野球
高校野球
第101回全国高等学校野球選手権沖縄大会(6月22日~)の全試合をイニング速報します。
大久保寛司が語る人と経営みらい塾
大久保寛司が語る人と経営みらい塾
お陰様で11周年目を迎えます。 今年も受講生が期待できるテーマを準備して引き続き開催致します。
食の多様性で観光立県 県内の取り組みをご紹介!
食の多様性で観光立県 県内の取り組みをご紹介!
国際観光都市を目指す沖縄。食の多様性への対応が求められています。その最前線を取材!
LINE@公式アカウント紹介企画
LINE@公式アカウント紹介企画
企業や団体の「LINE@」を紹介! 友だち追加でお得な情報やクーポンをゲットしよう!!
しまくとぅば広告
しまくとぅば広告
消滅の危機にある「しまくとぅば」をもっと使おう!
週刊沖縄空手が読み放題
週刊沖縄空手が読み放題
空手発祥の地・沖縄から毎週発信! 電子版で「週刊沖縄空手」が世界のどこでも読めます。
今日もがっつり!運転手メシ
今日もがっつり!運転手メシ
沖縄タイムスの運転手がつづるグルメブログ。「安い」「おいしい」「腹いっぱい」の食堂や総菜屋さんを紹介します。
マンガ家大城さとしが行く!沖縄のじょ~と~企業探訪
マンガ家大城さとしが行く!沖縄のじょ~と~企業探訪
おばあタイムスでおなじみのマンガ家・大城さとしさんが長編マンガで沖縄の企業を紹介するシリーズ企画です。
命ぐすい 耳ぐすい
命ぐすい 耳ぐすい
沖縄県医師会の各分野の医師による医療・健康に関するコラム
アクロス沖縄
アクロス沖縄
東京発 各分野で活躍する情熱県人らを紹介
ワールド通信員ネット
ワールド通信員ネット
世界各国の沖縄県系人の話題を中心に、海外通信員が各地のニュースをお届けします