新型コロナ沖縄の今

コロナの疑いを隠す患者も 感染リスクに疲弊する救急隊員 交通事故現場へもゴーグル装着

2021年8月30日 08:04

 沖縄県内で新型コロナウイルス「デルタ株」が急拡大し、異例の事態に直面する各消防本部の救急隊員ら。ほとんどが1時間半~2時間に及ぶ現場待機の経験はなく、救急要請のたびに防護服を脱着したり、救急車を消毒する作業も疲弊の一因となっている。救急要請の際に「濃厚接触者ではない」と話していた患者が、搬送後に「実は…」と打ち明けるケースもあり、感染リスクに神経をすり減らす。

救急搬送に取り組む那覇市消防局の救急隊員ら=5月、那覇市内(同局提供)

■「実は…」搬送後に打ち明ける患者

 「発熱はありません」。石垣市消防本部に119番通報してきた患者はそう告げた。だが救急隊が現場到着すると明らかに発熱症状が見られた。「感染疑いだと知られたくない、陽性であってほしくないという気持ちからだろう」と消防関係者は察する。

 コロナ禍の今はこのような不測の事態に備え、通常の交通事故現場でも患者の感染疑いを考慮して密閉性の高い「N95マスク」やゴーグルを装着して出動する。常に最悪のケースを想定し、臨場する3人のうち1人だけが患者と接触、チェック項目ごとに感染疑いを確認するなど、マニュアルに沿って対応に当たる。

■どこも逼迫 受け入れを断られる

 感染が判明している患者の救急要請は県の対策本部が病院と調整するが、それ以外の患者は容体を見ながら救急隊が緊急性を判断。現場待機のリスクが高い場合は直接、病院と調整して病床を確保してもらうケースもある。だが「どこも病床が逼迫(ひっぱく)し、受け入れを断られるケースも多々ある。感染疑いが濃厚で持病もあればすぐに搬送するべきだが、スムーズにいかない」(うるま市消防本部)。

 本島中部の消防本部では8月中旬、血中酸素飽和度が91%と低下し、入院が必要な状態となった自宅療養中の50代女性から救急要請があったが、県の医療コーディネーターを通じた搬送先の調整に80分以上も要した。

 消防関係者は「6月ごろまでは問題なかったのに、今は医療が限界を迎えている」と急激に悪化する現状にため息をついた。(社会部・城間陽介、豊島鉄博、矢野悠希)

(関連)「コロナ患者の母親を搬送したら子の面倒を誰が見るのか調整」救急車が現場で2時間42分待つ

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