宮古島市上野野原の陸上自衛隊駐屯地の用地売却を巡る贈収賄事件で、前宮古島市長の下地敏彦被告(75)への贈賄罪に問われた、宮古島市の前会社代表被告(65)の第2回公判が30日、那覇地裁(大橋弘治裁判長)であった。被告人質問で、被告は敏彦被告への現金供与が計3回、合計で約1千万円に上ることを明らかにした。論告求刑で検察側は懲役1年6月を求刑。弁護側は執行猶予付き判決を求め、結審した。判決は9月22日。

那覇地裁

前宮古島市長の下地敏彦被告

那覇地裁 前宮古島市長の下地敏彦被告

 被告は、当時経営していた千代田カントリークラブ(千代田CC)の土地を、駐屯地の用地として国に売却できた謝礼として2018年5月、都内で敏彦被告に現金600万円を渡したとする起訴内容を認めた上で、その後も現金を渡したことを認めた。

 額は「2回目は250万円から350万円の間、3回目は100万円です」と述べた。渡し続けた理由は、謝礼と将来受ける便宜のためなどと明かした。

 検察側は、被告が「謝礼をするから」と積極的に敏彦被告に陳情し、裏金作りをした上で600万円を供与したことから「被告人が引き起こした事件に他ならない」と指摘。

 国の施策や宮古島市政の公正さ、透明性への信頼を著しく損なう犯行とし「市にとどまらず広く国、社会全体に及ぼした影響は大きい」と刑事責任は重大だとした。

 弁護側は、謝礼の供与を認める一方、敏彦被告から「有利かつ便宜な取り計らいを受けたことはない」と主張。防衛省の候補地だった千代田CCの土地取得は「既定路線だった」などとし「同種事案と比較し、職務の公正が害される程度は大きくなかった」とした。