沖縄ステーキ史(8)

 1972年の日本復帰後はパスポートが要らなくなり、日本人観光客が急増する。復帰前年の約20万人から、72年は44万人となった。復帰記念事業と位置付けられた沖縄海洋博覧会のあった75年には150万人を突破。海洋博後の反動減を乗り越え、84年には200万人に達した。増加の勢いは止まらず、沖縄は観光地としてのブランドを確立していく。

■観光客続々

 復帰前の米軍統治下で、日本と比べて低率だった輸入牛の関税は、復帰後も特別措置として低く抑えられた。安くておいしい牛肉が食べられると知られるようになり、ステーキ店には観光客の来店が増えていった。

 沖縄市のニューヨークレストランを復帰の年に継いだ徳富清次さん(76)は「日本人が増えてきたから、店内に和室も作ったよ」と笑う。8卓あった座敷席は観光客でにぎわっていたという。

 浦添市にあった鉄板焼き専門の...