[リポート’21 金武発]

琉球銀行のキャッシュレスサービスのパンフレットの一部。1つの端末でクレジットカードや電子マネー、スマホ決済にも対応しているのが売りだ

キャッシュレス化が進む金武町内のカフェのレジ。電子マネーやクレジットカード対応の端末が並ぶ。導入後、外国人の客が増え、客層が広がったという=6日、町金武

琉球銀行のキャッシュレスサービスのパンフレットの一部。1つの端末でクレジットカードや電子マネー、スマホ決済にも対応しているのが売りだ キャッシュレス化が進む金武町内のカフェのレジ。電子マネーやクレジットカード対応の端末が並ぶ。導入後、外国人の客が増え、客層が広がったという=6日、町金武

 沖縄県金武町内の飲食店や小売店で、クレジットカードや電子マネーなどで代金を支払うキャッシュレスシステムの導入が進められている。町商工会、町、町観光協会は、銀行2行と連携協定を結び、事業者へ利用を呼び掛ける。町内に米軍基地があるため、カード決済を好む外国人利用客から歓迎される一方で、一部店舗からは会計業務の複雑化や支払いを巡る新たなトラブルが起きないかと不安がる声も聞こえてくる。(北部報道部・国吉聡志)

 琉球銀行と沖縄銀行はそれぞれ別のサービスを提供し、町内の事業者にキャッシュレスシステムの利用を呼び掛けている。琉銀はクレジットカードや電子マネーなどに対応したバーコード・QRコードが読み取り可能な端末を用意。沖銀もQRコードでスマホ決済サービスが利用できる端末を整備している。

 決済手数料は店舗負担だが、両行は「客層が広がる上に、現金を取り扱わないので店舗での管理や銀行入金の手間が省ける。犯罪に巻き込まれる危険性も少なくなる」と利点を訴える。

「客層広がった」

 現在、商工会によると町内で約100店舗が両行の決済システムを導入している。町金武でカフェを営む山川梨香さんは「向かいが米軍基地なので、導入後に外国人客が増えて客層が広がった」と明かす。

 キャッシュレス決済システム導入後、釣り銭の数え間違いがなくなった一方で現金とキャッシュレスの売り上げを別々に集計しなければならず、山川さんは「統一して売り上げを集計できる会計ソフトなどがあればなお良い」とも話す。

商品券を電子化

 店舗で決済後、口座引き落としを拒むトラブルの増加を懸念する声もある。新たなキャッシュレス端末の導入を検討する町内の女性は「酔った外国人客がクレジットカード決済でサインした後に『払ってない』とトラブルになるケースがある。端末導入で新たな問題が起きないか」と語る。

 琉銀の担当者は「現在はサインの代わりに暗証番号を入力するタイプが普及している。番号を入力後に支払いを免れることは難しく、トラブルのリスクは減っている」と説明。また沖銀の担当者は「確かに現金と複数のキャッシュレスの会計を一つの帳簿で自動的に管理するのは現時点では難しい。だが、キャッシュレスだと数え間違いがなくすぐに集計できる」と利点を強調する。

 商工会も「両方の売り上げを効率的に集計できるよう、銀行と協力して事業者へ助言したい」とする。現在、紙で交付しているプレミアム商品券を電子化できないか検討中で、銀行や町と協力しながら、キャッシュレスのさらなる普及に力を入れる方針だ。