米軍が有機フッ素化合物PFOS(ピーホス)などを含む汚水を独自に処理し普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)から放出した問題で、宜野湾市は10日、放出直後に採取した下水から検出されたPFOSとPFOA(ピーホア)の合計値が1リットル当たり670ナノグラム(ナノは10億分の1)だったと発表した。国の暫定指針値・目標値(50ナノグラム)の13・4倍に達し、PFHxS(ピーエフへクスエス)も69ナノグラム含まれていた。

米軍普天間飛行場からPFOSを含む汚水が放出されたことを受け、宜野湾市が採水した市伊佐のマンホール=8月26日午前(同市提供)

採水地点から浄化センターまでの汚水管ルート

米軍普天間飛行場からPFOSを含む汚水が放出されたことを受け、宜野湾市が採水した市伊佐のマンホール=8月26日午前(同市提供) 採水地点から浄化センターまでの汚水管ルート

■米軍 2.7と強調

 米軍は、放出した水についてPFOSとPFOAの合計値が2・7ナノグラムになるよう処理したとし安全性を強調していた。また過去の同地点の市調査では、2019年9月13日がPFOS・PFOA計25ナノグラム(PFHxS11ナノグラム)、20年9月9日が同13ナノグラム(PFHxS4ナノグラム)だったという。いずれの物質も人体への有害性が指摘されている。

 松川正則市長は同日、市役所内で会見し「高い数値でがくぜんとしている」と述べた。市は、基地からの通常の汚水について分析する目的で9月9日にも同じ場所で採水した。今回の調査結果などと比較した上で、定期的な水質調査など今後の検討を考える方針。基地内に残っているとみられる汚水は、従来通り焼却処分を求める。

■汚水集まる場所

 市は、米軍が汚水の放出を開始したとする8月26日午前9時半から1時間40分後に採水した。米軍による放出完了は同日夜。市が採水したのは、米軍が放出した水のほか、トイレやシャワーなど飛行場全体の汚水が集まる場所という。

 汚水の処理自体が適切でなかったか、放出された以外の基地排水のPFOSなどが高濃度だった可能性があるが、市は「因果関係の断定は難しい」という。

 玉城デニー知事は10日の記者会見で「市の調査結果などを踏まえ、基地の立ち入り調査を重ねて求めていきたい」と述べた。県議会(赤嶺昇議長)は同日、汚水放出に対する抗議決議を全会一致で可決した。

 一方、岸信夫防衛相は同日の会見で「防衛省としてお答えすることは差し控えたい」とした。

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