[福島 沖縄 国策と首長](1)浪江町前町長 馬場有さん(上)

 福島の原発と沖縄の基地。国策と直接向き合わされる首長の苦悩は、共通点が多い。11日で東日本大震災から10年半になる。沖縄の首長と歩みが重なる2人の首長の姿を通して、福島に思いをはせる。最初に取り上げるのは浪江町(なみえまち)の前町長、馬場有(たもつ)さん。前沖縄県知事の翁長雄志さんと同じように保守政治家で、やがて国と厳しく対峙(たいじ)し、がんに倒れた。

 □    □

 馬場さんが在職のまま69歳で亡くなったのは2018年6月27日。翁長さんが67歳で死去したのも同じ年の8月8日だった。2人とも、最期まで闘いの中に身を置いた。

 「有くんは国と対峙し、志半ばで倒れた。テレビで見ていた沖縄の翁長さんの姿とかぶる」。馬場さんを子どもの頃から知る佐藤秀三さん(76)は静かに言葉をつなぐ。「沖縄の基地とちょっと違うのは、原発は地元も誘致したこと」

 震災後に爆発した東京電力福島第1原発(大熊町、双葉町)だけではない。北隣に当たる浪江町と南相馬市の境にも東北電力が浪江・小高原発を計画し、地元が誘致していた。...