4千万円に膨らむまでなぜ気づかなかったのか。再発防止へ、組織の在り方を抜本的に見直すべきだ。

 座間味村の40代の男性職員が、島と那覇を結ぶ村営船の売上金、推定4千万円を横領し、懲戒免職になった。

 元職員は、船のチケットを売る那覇出張所の所長を務めていた2016~21年、キャンセルによる払戻金が発生したように見せかけ、その料金を着服していた。

 他の職員が事務処理を終えた後、入金伝票を書き換え、乗船者名簿の一部を自宅に持ち帰り、証拠隠滅を図っていたというから悪質だ。

 横領した金は競馬などに使い、「ギャンブル依存症かもしれない。やめられなかった」と語っているという。

 公金を扱う公務員として、あるまじき行為である。

 しかし、なぜ5年もの間、横領が見過ごされたのか。

 元職員は現金や通帳、入金伝票、毎日の集計表を1人で管理していた。村の監査は集計表と入金伝票を照合するだけで不正を見抜けなかった。

 内部告発を受け、乗船者名簿と照合したり、パソコンに保存されていた改ざん前の集計表を突き合わせ、今年ようやく不正が明らかになった。

 管理体制がずさんと言うしかない。

 現金を扱う人と帳簿を扱う人が同じではチェック機能が働かない。確かに小規模離島はマンパワーが不足しがちだがやり方はあるはずだ。会計処理業務を見える化し、複数で確認する体制をつくるなど改善しなければ、また同じような問題が起きかねない。

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 これとは別に、村観光協会の男性臨時職員が17~18年、約95万円の事業資金を横領し、辞職していたことも、本紙の取材で明らかになった。

 協会は事実関係を把握していたが公表せず、職員らにかん口令を敷いていた。

 当時協会の会長だった宮里哲村長は、8日に行われた4千万円横領の謝罪会見で、他に同様の事案がないか聞かれ「私が知っている範囲では特にないと思う」と答えていた。

 村長は「組織を守りたいという気持ちがあったかもしれない」と釈明したが、自らの管理責任に及ぶことを避けたようにも見える。

 座間味村では05年にも男性職員が村営船の売上金約650万円を横領し、懲戒免職になる不祥事が明らかになっている。

 村はいずれの横領も返金を理由に刑事告訴していない。身内への甘さも、不祥事を生む温床になっていないか。

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 村は4千万円を横領した元職員を業務上横領罪で刑事告訴するという。捜査は警察にゆだねるとしても、相次ぐ横領事件で村民の信頼を裏切った行政には大きな責任がある。

 全体の奉仕者である公務員のモラル欠如、業務管理体制の甘さなど、第三者を交え、徹底的に調査・検証するべきだ。村長が先頭に立ち、組織の問題点を洗い出してもらいたい。

 調査・検証した結果を村民に説明し、二度と同じような不祥事を起こさないために何をするか明示するべきだ。