「このノンフィクションが出版されたらその印税でお返しするということで、とりあえず北海道に行く費用を貸してもらえないでしょうか」  栄倫社(えいりんしゃ)の打ち合わせブースで省吾(しょうご)が頼むと、向かいに座っている編集者の小泉が「申し訳ないんですが……」と返した。