「毎日のラジオ体操と歩き歩き(ウオーキング)は欠かせない」と元気の秘訣(ひけつ)を語る沖縄県国頭村奥間の大田吉子さん(87)。持ち前の明るい性格で、人を喜ばせることが大好きだと話す吉子さんは、大人気「ティックトッカー」だ。孫の大田浩之さん(31)が撮影し、2019年に初めて動画投稿アプリ「TikTok」(ティックトック)で配信すると「おもしろい」「かわいい」などとコメントが殺到し、ファンが急増。現在は約33万5千人のフォロワーを抱える。(北部報道部・西倉悟朗)

人を笑わせるのが好きだと話す大田吉子さん(左)と夫の孝全さん=16日、国頭村奥間

初めてタピオカミルクティーを飲み、おいしくて「止まらないよ」と感動する大田吉子さん=「南の島のおばーと孫」のティックトックアカウントより

人を笑わせるのが好きだと話す大田吉子さん(左)と夫の孝全さん=16日、国頭村奥間 初めてタピオカミルクティーを飲み、おいしくて「止まらないよ」と感動する大田吉子さん=「南の島のおばーと孫」のティックトックアカウントより

 アカウント名は「南の島のおばーと孫」。TikTokのほか、ユーチューブやツイッターにも動画を投稿している。動画では吉子さんが歌を歌ったり、タピオカドリンクに初めて挑戦したり、漫画ドラゴンボールの主人公「孫悟空」の即興モノマネを披露することも。たまに、吉子さんの夫の孝全さん(91)も出演する。浩之さんは「僕からしたらいつものおばあとおじいだから、反響が大きくて驚いた。2人が褒められるのは、やっぱりうれしい」と笑顔を見せる。

 夫妻は沖縄戦を経験し、戦後は吉子さんが米軍の放送局の電話交換や鮮魚店経営、孝全さんは大工や農業などをして、5人の子どもを育て上げた。吉子さんは「睡眠時間を削って2人で必死に働いた」。孝全さんは「大変なことも、とにかく何でもやったよ」と振り返る。現在は、孫10人、ひ孫14人。「今が一番幸せだね」と顔を見合わせる。

■SNSは「よく分からんけど、楽しいよ」

 浩之さんとの動画撮影について吉子さんは「(SNSは)よく分からんけど、内地にいる子や孫にも顔を見せられるし、楽しいよ。浩之はこういうのがとっても上手みたいさ」と笑う。

 最近では、吉子さんの亡き母が、戦時中に読谷村から疎開していた女性に懇願され、米3升と交換で受け取った着物について、吉子さんが思いを語り、元の持ち主を呼び掛ける動画を投稿。19日までにSNSで合計300万回近く再生され、読谷村民から「祖母やまわりに聞いてみます」などとコメントも寄せられ、動画を通して持ち主探しの輪が広がっている。 

 浩之さんは「今後も、昔の沖縄の状況や方言など、おばあが伝えたいことを動画を通して伝えていきたい」と話す。 吉子さんは「人生いろいろあるけど、くよくよしては駄目。いつでもスマイルで、前向きに生きていくことが一番大切だよ」とにっこり笑った。