沖縄県は21日、2021年の県内地価を公表した。林地を除く全用途の平均変動率は前年比プラス1・5%(前年プラス4・7%)で、14年から8年連続で上昇した。一方、新型コロナウイルス禍で基幹産業の観光産業が大幅に落ち込んだため上昇率は3・2ポイント縮小。前年まで3年連続の全国首位から2位に転じた。住宅地と商業地の下落幅は、全国で最も大きかった。

31年連続で県内最高価格となった那覇市松山1丁目の区画=21日

地価の対前年平均変動率の推移

31年連続で県内最高価格となった那覇市松山1丁目の区画=21日 地価の対前年平均変動率の推移

 基準地価は土地取引の指標になる。都道府県が毎年7月1日時点で、1平方メートル当たりの基準地の標準価格を判定する。県内の対象は284地点。住宅地193、宅地見込み地5、商業地77、工業地5、林地4だった。

 県内の用途別の変動率は、住宅地がプラス1・6%(前年4・0%)、商業地がプラス0・7%(同6・2%)、工業地はプラス12・1%(同11・6%)。住宅地と工業地は全国1位だった。

 住宅地と商業地の上昇率の縮小に、県は「新型コロナの影響。空室の増加で売買市場の引き合いや、世帯収入の減少による住宅取得意欲の弱まりがある」と分析する。工業地の伸びには、人口増加や物流業の増加などを背景とした需要に加え、工業地の少なさが影響しているという。

 市町村別変動率では、住宅地が、モノレール延伸などで利便性の高まった西原町が6・3%(同11・0%)でトップ、2位宮古島市5・3%、3位北中城村の4・7%と続いた。商業地のトップが宮古島市で4・6%。続いて北谷町4・1%、与那原町4・0%だった。那覇市はマイナス0・4%(同プラス10・2%)で、マイナス0・3%だった12年度以来9年ぶりに前年割れした。

 1平方メートル当たりの最高価格は、住宅地が那覇市天久2丁目の土地で33万円で5年連続。商業地は31年連続で同市松山1丁目1番4の125万円(マイナス1・6%)だった。

 県地価調査分科会代表幹事で不動産鑑定士の濱元毅さんは「下がってはいるが、助成金や緊急貸し付けなどでまだ持ちこたえている。コロナ次第だが、投資環境のリスクが見えてこないと、価格は落ち着かないだろう」と話した。