7月に外務省を退官し、9月22日から沖縄県那覇市古島で中高生を対象とした学習塾「かんざわ英進塾」を開いた官澤治郎さん(48)。子どもたちの成績を上げることはもちろん、「世界がどう動いているか、大きな視点を伝えたい。沖縄で考えていること、日本で考えていることが、他の国では必ずしも常識ではない」と語る。アラビア語が専門で、アフガニスタンやイラクで勤務した経験を持つ。外交官として「新たな国造り」に腐心したつもりだが、西側諸国にとっての「いい国」が、果たしてアフガニスタンやイラクにとっての「いい国」であったのだろうか、と自問自答する。

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 官澤さんがアフガニスタンに赴任したのは2009年。01年の米中枢同時テロの後、米国はアフガニスタンに侵攻し、タリバン政権を追放した。カルザイ氏を中心とする暫定政権が首都カブールで、新たな国造りを進めていた。

 官澤さんは、外務省からアフガニスタンの地方都市に派遣された4人の外交官のうちの1人。通常の大使館とは違う、特殊な仕事だった。地方復興チームは、国際社会が協力し、二度とテロの温床にならない国造りを目的とした。地方が豊かになれば、国全体が安定すると考えていた。

 もともとアラビア語を希望したわけではなかったという官澤さん。千葉県出身で、県立千葉高、東京大学法学部を卒業。1998年に入省。いわゆる「キャリア外交官」だ。最初の1年間は...