南風原町津嘉山に10月、「産前産後ケアハウス エナ・助産所」がオープンする。助産師の吉澤早苗さん(41)が、「ほっとする居場所」をつくろうと、実家の2階を改装して新設。乳房ケアや育児相談に加え、母親が赤ちゃんを預けて心身を休めることができる環境を整えた。建設費はクラウドファンディング(CF)で支援を募っている。吉澤さんは「親たちが元気になれるパワースポットのような居場所にしていきたい」と意気込んでいる。(学芸部・嘉数よしの)

実家の2階を改装し、「産前産後ケアハウスエナ助産所」を開所する助産師の吉澤早苗さん=17日、南風原町津嘉山

 吉澤さんは出張ケア専門の助産院を開業していたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、孤立する妊産婦が増えていることを憂慮。「里帰り出産ができなかったり、祖父母に子どもを預けづらかったり。お母さんたちの交流の場も激減している」と話す。

 有志の助産師で「うちなー助産師.com」を立ち上げ、オンラインによる母親学級を実施してきたが、「コロナ禍だからこそ、ほっとでき、前向きになれる居場所が必要」と実感し、長年思い描いてきた助産所の新設を決めた。

 本島南部での滞在型ケアハウスのオープンは初めてとみられる。吉澤さんは「家庭訪問するメリットもあるが、お母さんが外に出てリフレッシュするのもいい。赤ちゃんを預けてゆっくり休んだり、ご飯を食べたりできるケアも実現したかった。自宅や実家に続く、気軽に立ち寄れる『サードプレイス』になれたら」とほほ笑む。

 8月23日に第1子女児を出産した久志直子さん(34)=那覇市=は、コロナ禍での妊娠出産を吉澤さんに支えてもらった。希望していた里帰りや立ち会い出産がかなわず、母親学級も受けられなかったため「心細かった」というが、「ちょっとした心配事も聞いてくれて、とても助かった」と感謝。ケアハウスの新設で、「オンラインだけでなく対面でも人とつながる可能性が広がる。多くのママが安心できると思う」と期待を寄せる。

 8月31日にCFを始めたところ、約2週間で第1目標の100万円を突破した。9月27日まで次の目標200万円への支援を呼び掛けている。吉澤さんは「応援や期待の声を受けて、改めて妊産婦とその家族を支える必要性を感じている。思いをつなげ、人が集う場にしていきたい」と前を向いた。

 CFの詳細はこちらから確認できる。https://readyfor.jp/projects/ena-jyosanjyo