理不尽な校則はない-。沖縄県内の自治体が、地元議会でそんな見解を示す例が相次いでいる。しかし実際に学校の校則や生徒心得を調べてみると、肌着の色や男女別の髪形を指定するなど、首をかしげたくなる内容が少なくない。「自治体が『問題なし』との認識では、子どもたちや保護者が声を上げにくくなる」「生徒側の受け止めとの間に落差があるのでは」。各地の議員や教育関係者は、苦言を呈する。(編集委員・鈴木実)

黒板

浦添市の中学校の校則。「白系統の肌着かTシャツ」「ハイソックスは履かない」「布ベルト禁止」などと書かれている

黒板 浦添市の中学校の校則。「白系統の肌着かTシャツ」「ハイソックスは履かない」「布ベルト禁止」などと書かれている

 6月に開かれた浦添市議会定例会。問題校則について問われた市教育委員会は「学校の中で論議を重ねてきた。著しく逸脱している校則はない」と答弁した。

 しかし市内のある中学校は、制服の下に着るタンクトップなど肌着の色を「白系統」に制限している。白だとその下のブラジャーが透けて見えやすい上、生徒の肌着の色をチェックする検査そのものが人権やプライバシーの侵害になりかねず、多くの学校が廃止している規則だ。

 別の学校にも「ハイソックスは履かない」「布ベルト禁止」など、不合理な内容だと受け取られかねないルールがあった。

 質問した田畑翔吾市議は「なぜ『逸脱していない』と言い切れるのか。生徒の個性を抑え、全体の画一化を図っているように思える」と批判する。 

 読谷村教委も同月の村議会定例会で「行き過ぎた校則は本村にはない」と答弁した。

 しかし、ある学校は男子生徒の頭髪を「短めの髪形」と定めている。トランスジェンダーの生徒などへの配慮が広がる中で、固定的な男性像・女性像を押し付けることには異論が出そうだ。村内では他にも「男子のシャツは第1ボタンまで締める」「汗ふきシート禁止」などを定めた校則がある。

 城間真弓村議は「私自身、さまざまな人から校則について相談を受けている。村が『問題はない』という姿勢では、そうした声が封じられてしまう」と議場で指摘した。

 豊見城市教委も「時代にそぐわない校則は見直しが図られ、現状に合った校則になっていると確認している」と同月の市議会定例会で答弁したが、ある学校では眉間も含めて眉の手入れを原則禁止している。

 沖教組は10月に、小中高校の児童生徒らに校則についてのアンケートを実施する予定だ。小濵まゆみ書記長は「問題校則が一つもないとは考えられない。学校を運営する大人側の視点だけでは実情が見えづらく、当事者である子どもたちの本音に耳を傾けたい」と話している。