横綱白鵬が引退する。在位14年。長く務めたからこそ、横綱の美学と勝ちへのこだわりが相克し、評価が割れた

▼強さとしなやかさで勝つ相撲は、喝采を浴びた。八百長、暴行とスキャンダルで揺れた角界を背負った。大鵬の優勝記録32回に並んだ時は「62キロだった小さい少年がここまで来た」と胸を張った

▼綱を守るうちに、けがが増えた。右膝は痛々しく、得意の右四つで踏ん張るのが難しくなった。満身創痍(そうい)でのかち上げ、張り手の取り口は「横綱らしくない」という見方が付きまとった。「どうすれば勝てるか」と探求し、「勝てばいいのか」と批判を受けた

▼象徴的な一番は2017年11月の九州場所。嘉風に一気に寄り切られると、...