コロナ禍で県をまたぐ移動が自粛され、沖縄の空の玄関・那覇空港内の落とし物が激減している。沖縄県警会計課によると、2020年に県警に届けられた同空港内と到着便内で見つかった拾得物は1万6920件で、前年に比べ6割以上減少。今年上半期(1~6月)は3900件しかなく、年間の件数はさらに減少する見込みだ。一方で政府の緊急事態宣言は30日で解除され、人々の往来が活発になるとみて県警は対策に力を注いでいる。(社会部・豊島鉄博)

保管庫に設置されている棚に収まりきれず、足場にも置かれていた拾得物=2019年5月、豊見城署

コロナ禍で保管庫の拾得物も激減した=2021年8月10日、豊見城署

那覇空港における拾得物の数

保管庫に設置されている棚に収まりきれず、足場にも置かれていた拾得物=2019年5月、豊見城署 コロナ禍で保管庫の拾得物も激減した=2021年8月10日、豊見城署 那覇空港における拾得物の数

 これまで同空港の拾得物は増加傾向で、16年は3万3665件、コロナ禍直前の19年には4万3467件まで増えた。だが新型コロナウイルス感染拡大で航空各社の発着便が減便。20年度の乗降客数は前年度比68%減の658万8704人に落ち込み、それに伴い空港の拾得物も激減した。

 空港を管轄する豊見城署全体の拾得物も、20年度は前年比で約42%(1万9756件)減少し、2万6929件だった。

 コロナ禍前の同署保管庫の棚は航空会社の袋に入った拾得物がずらりと並び、足の踏み場もないほどだったが、今年8月は空いたスペースが目立つ。荷物は整理されてきれいに並べられ、会計課の担当者は「以前の約3分の1しか棚が埋まっていない」と話す。遺失物届を出した人への確認作業などで時間外勤務も常態化していたが、大幅に改善されたという。

 増え続ける拾得物について県警は近年、対策を強化してきた。昨年4月、県警本部会計課内に「遺失物コールセンター」を設置。専従職員2人を配置し、拾得物の問い合わせを一元化した。担当者は「各署の負担軽減につながるとともに拾得物の案内もしやすくなり、県民や観光客にもプラスとなった」と効果を語る。

 豊見城署も、20年度から会計課職員を8人から11人に増員した。

 同年9月には、那覇空港ビルディングと、拾得物の保管に関する協定を締結。同署の今年上半期の拾得物の約15%がビルディングへ届けられた。 担当者は「新型コロナ収束を見据え、今後も対策を継続する」としつつ「警察の取り組みだけでは限界がある。空港利用者には忘れ物がないよう、意識を高めてほしい」と呼び掛けた。