大弦小弦

[大弦小弦]歌う曲にも米軍の許可が必要な時代が沖縄に…

2017年2月14日 09:30

 歌う曲にも米軍の許可が必要な時代が沖縄にあった。戦前の、治安維持法下の話ではない。56年前のきょう、米軍は沖縄教職員会が出版した「愛唱歌集」の回収を命じた

▼米軍政下の1961年、新聞を含む全ての出版物が事前許可制だった。121曲中38曲は「沖縄を返せ」「原爆許すまじ」など、本土で当時広く歌われていた労働歌。だが米軍は「反米的な歌を削除せよ」と迫った

▼編集に携わった石垣市の大島修さんを取材したことがある。鉄血勤皇隊員だった沖縄戦時、日本兵による米兵捕虜3人の処刑を目撃した。陰惨な光景が忘れられず、戦後もうなされたという

▼歌集には、自分たちを戦争に駆り立てた軍歌が1曲もない。「いい本ができた」と思った直後の回収命令に「米軍の愛唱歌集ではない」と闘い、「生徒に歌わせない」との条件で許可を得たのは同年5月。そして、基本的人権を保障する日本国憲法の適用を目指した

▼現在、政府は過去3回廃案になった共謀罪を「テロ等準備罪」と言い換えて今国会に提出する。「話し合っただけで逮捕」が本質だ。一定の重大犯罪は既存法で対処できるにもかかわらず

▼「心の中」まで処罰対象にするのは危険極まりない。先輩たちが歌うことすら制限する米軍に抗(あらが)い、勝ち取った自由が危機にある。問われているのは私たちだ。(磯野直)

基地で働く―軍作業員の戦後
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