沖縄県宮古島市上野野原の陸上自衛隊駐屯地の用地売却を巡る贈収賄事件で、収賄罪に問われた前宮古島市長の下地敏彦被告(75)の公判が5日、那覇地裁(小野裕信裁判長)であり、贈賄罪で有罪判決を受けた「千代田カントリークラブ(CC)」元代表の被告(65)の証人尋問が行われた。検察側の尋問に、渡した現金は「お礼と償い」だったと強調。起訴された事件以降も同様の趣旨で現金を渡したと改めて語った。

那覇地裁

 敏彦被告は初公判で、現金を受け取った事実は認めながらも「政治資金として渡された」と述べ、賄賂とは認識していなかったなどと無罪を主張している。

 証人尋問で元代表被告は、陸自配備への激しい反対運動で、当時市長だった敏彦被告が受け入れ表明をしないのではという不安があったとし、現金を渡す趣旨で「必ずお礼はします」と4、5回頼んだとした。

 千代田CCの土地売却後、現金を手渡すため「東京辺りで会えないか」と連絡し、現金が見えるようお土産と並べて紙袋に入れて都内で渡したと説明。日時と場所は敏彦被告が指定したとし、「ありがとうと言っていた」と述べた。

 受け入れ表明前、敏彦被告の紹介で大手建設会社社長に千代田CCの土地を売却する話があり、直前で破談にしたことも明かした。敏彦被告に「おまえはばかか」「官邸は千代田を外すと言っている」などと言われたとし、敏彦被告の利益を損ねた「償いの気持ち」も現金に込めたとした。

 起訴された18年の600万円以降も2度、「お礼と償い」の趣旨で現金を渡したことを説明。17年1月に25万円を渡したことも明らかにし、約1週間後に迫っていた宮古島市長選のための「お茶代」だったとした。