沖縄県東村高江周辺の米軍ヘリパッド建設に愛知県警が機動隊を派遣したのは違法として、隊員の給与など約1億3千万円を当時の県警本部長に賠償させるよう愛知県に求めた住民訴訟の控訴審判決で、名古屋高裁(倉田慎也裁判長)は7日、派遣手続きの違法性を認め、約110万円の賠償を命じた。

ヘリパッド建設に反対する市民らを排除する機動隊=2016年9月、沖縄県東村高江

ヘリパッド建設工事再開の日、現場周辺は警察官で埋め尽くされた。車の屋根の上で抵抗する市民を引きずり下ろした=2016年7月、沖縄県国頭・東村境

機動隊訴訟の判決骨子

ヘリパッド建設に反対する市民らを排除する機動隊=2016年9月、沖縄県東村高江 ヘリパッド建設工事再開の日、現場周辺は警察官で埋め尽くされた。車の屋根の上で抵抗する市民を引きずり下ろした=2016年7月、沖縄県国頭・東村境 機動隊訴訟の判決骨子

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 請求棄却の一審判決が変更され、住民側は「逆転勝訴」と評価した。住民側によると、機動隊を派遣した6都府県と派遣された沖縄で住民監査請求や住民訴訟が起きているが、請求が認められたのは初めて。

 倉田裁判長は判決理由で、派遣決定が県警本部長の専決で処理された点を問題視。「決定は愛知県公安委員会の実質的意思決定に基づいておらず、違法だと言わざるを得ない」と判断した。派遣隊員の時間外勤務手当分約110万円の損害を当時の愛知県警本部長に賠償させることを愛知県知事に求めた。

 工事が着手された2016年7月22日、現場周辺にあった抗議市民の車両やテントを機動隊員らが撤去した行為は「法的根拠が見当たらない」「違法である可能性が強い」と述べた。沖縄側がそのことを認識しながら派遣を要求したことには「重大な瑕疵(かし)がある」と批判した。

 また、高江周辺で繰り返された警察官による車両検問、抗議行動の撮影は「違法性あるいは相当性については疑問が生じ得る」と疑問視した。

 愛知県警の萩原生之監察官室長は「判決内容を検討した上、今後の対応を決める」とのコメントを出した。沖縄県警は7日中にコメントしなかった。

 住民側は請求が認められなかった部分を検討し、上告するか判断する。

 北部訓練場の一部返還に伴う6カ所のヘリパッド建設は07年に始まったが、高江住民らの反対で進展しなかった。政府は16年、残っていた4カ所の着工を決定。6都府県から機動隊員約500人が派遣され、政府は同年末に完成を宣言した。