沖縄で人気のご当地Vチューバ―「根間うい」。オンライン開催された全県的なビッグイベントでは司会を務め、テレビCMにも出演。新型コロナウイルス禍で行き場を失った沖縄土産はオンラインですべて売り切った。限定販売だったオリジナル泡盛は人気に火がつき、沖縄のドン・キホーテで定番商品化。8月には沖縄県うるま市出身バンドのHYとコラボした新曲も披露した。バーチャルからリアルまで活躍する彼女の人気の理由は、かわいいだけじゃなかった!?(編集委員・照屋剛志)

HYとコラボしたオリジナル曲「青々」ではエイサー隊とのダンスも披露した(ユーチューブ「根間ういちゃんねる」より)

 「はいたーい!根間ういやいびーん。ゆたしくうにげーさびら!(こんにちは!根間ういです。よろしくお願いします!)」

 YouTube(ユーチューブ)公式チャンネルでは、根間ういが元気はつらつとウチナーグチ(沖縄語)で語りかける。沖縄の伝統舞踊「エイサー」をモチーフにした衣装、ハイビスカスの髪飾りなど、沖縄らしさを打ち出したアニメキャラクターが「かわいい」とネットで話題だ。

 ウチナーグチを話した後には即座に共通語で解説をつけるため、県外のファンからは「分かりやすい」と評価されている。語尾に「さぁ~」をつける話し方が、沖縄の女の子を身近に感じるとの声も。

根間うい。身長150㎝(本当は149㎝)。好きな物は泡盛とうむくじ天ぷら、ドラクエ、人狼ゲーム。

 根間ういは、CGキャラクターがユーチューバーとして活動するVirtual YouTuber(バーチャルユーチューバー)として、2019年3月にゲーム開発会社のあしびかんぱにー(那覇市)からデビューした。「沖縄バーチャル観光大使」を目標に掲げ、ユーチューブで週1回のペースで沖縄の情報を発信している。

 「沖縄の人はビーチパーティーが好き」などの沖縄あるあるネタは119万回再生、「沖縄ではやってはいけないこと10選」は28万回再生。ウチナーグチ講座は5万回と、沖縄ネタの人気が高い。沖縄料理クッキングも披露しており、サーターアンダギーは4万回再生を超えた。観光地を訪れて紹介したり、三線工房で三線を購入したりと積極的にロケもこなし、着実にファンを増やしてきた。

●根間ういのYouTubeチャンネル

https://www.youtube.com/channel/UCES4K104k-D2HthE46z9VHQ

●Twitterでも沖縄情報をこまめに発信している

https://twitter.com/ui_nema

 ユーチューブのチャンネル登録者数は2年半で6万人を超えた。視聴者は7割が県外。あしびかんぱにーの佐橋直幸さんは「沖縄の魅力を発信してきたことで、沖縄旅行が好きな層を取り込めている」とする。

 ファンは男性が9割以上というVチューバ―が多い中、根間ういは女性ファンが3割。20代が最も多く、30代、40代と続く。佐橋さんは「いわゆるオタクだけでなく、沖縄が好きな女性にも支持を得ている」と話した。キャラクターのかわいらしさだけに頼らず、沖縄の情報を丁寧に発信してきたことでファン層の拡大につながっている。

 沖縄で初めてのVチューバ―だったこともあり、デビュー直後からテレビ番組に出演するなど注目を集めた。ユーチューブの登録者数が増えてくると、「企業案件」も舞い込むようになってくる。

コロナの影響でオンライン配信された沖縄の産業まつりでMCを務める根間うい(左端)

 泡盛のイメージ刷新を狙う久米仙酒造とはコラボ商品を開発。チョコレート好きという根間ういのコンセプトを生かし、チョコレートリキュール「ちょこもり」を2020年10月に売り出した。発売から2週間で完売し、再発売しても人気がやまないため、定番商品化し、県内のドン・キホーテなどで販売している。

 同年4月には、コロナ禍で観光客が激減し、売れ残っていた沖縄土産品1000セットをオンラインで完売。800万円を売り上げた。同年8月は緊急事態宣言による休校で、余ってしまった給食の沖縄そばと豚の三枚肉の800セットを1週間で売り切った。

 佐橋さんは「購入した根間ういのファンがSNSで拡散し、沖縄が好きな人たちにも支援が広がっていった」。根間ういのファンを起点に共感の輪が、オンラインで広がったと分析する。

久米仙酒造と共同開発したチョコレートリキュール「ちょこもり」

 最近では、周年イベントでの司会や、PR動画などの企業からの依頼が、月に1件以上入るようになり、活動は軌道に乗り始めている。コロナ禍でオンライン配信となった沖縄全島エイサーまつりや、沖縄の産業まつりといった数十万人の来場客を集めるビッグイベントの司会も任されるようになった。10月に発売予定のCDアルバムの予約受付も順調という。沖縄支援企画の一環で、売り上げの一部を国際通り商店街振興組合連合会に寄付する。

 佐橋さんは「根間ういの活動の基本は沖縄情報の発信。コロナ禍だからこそ、沖縄を訪れることができない人たちに情報やコンテンツを届け、コロナ後の観光誘客につなげたい」とした。

 「沖縄観光」のPRに特化した活動で、県内外から幅広いファン層を獲得し、アニメキャラクターの枠を超え、リアルの世界にも飛び出してきた根間うい。沖縄の魅力発信の新たな手法として、活躍の場はさらに広がっていきそうだ。

 あしびかんぱにーは、根間ういのイベント出演やコラボ企画を受け付けている。問い合わせは同社、電話098(917)2562

 沖縄で最も忙しいアイドルの根間ういさんに、沖縄への思いなどを聞きました。インタビューは音声ニュース「サクッと沖縄」から。https://voicy.jp/channel/1514/217593