兄の尚さん(中央)を囲む諸見里咲さん(右)と姉の愛さん=2016年、那覇市内(提供)
兄の尚さん(中央)を囲む諸見里咲さん(右)と姉の愛さん=2016年、那覇市内(提供)

「我慢するのが当たり前」思い込んだ日々 兄弟姉妹を介護するヤングケアラー「きょうだい児」とは

2021年10月15日 10:00有料
社会・くらし

[ヤングケアラー 介護する子たち](15)

 意見発表文の冒頭には、こうつづられている。「『きょうだい何人いるの?』という言葉に、私は答えられない。兄が障がい者だと話すと、友達がどんな反応をするのか不安で、その話題を避けてしまう」。沖縄県内の特別支援学校教諭の諸見里咲さん(30)が、中学3年時に書いたものだ。

 3人きょうだいの末っ子。4歳違いの兄尚(ひさし)さんは、脳性まひや肢体不自由などの障がいがある。食事や入浴、トイレは介添えが欠かせない。咲さんも子どもの頃からおむつを替え、車いすを押した。

 「おなかが減った」「音楽が違う」「外に行きたい」。兄は四六時中、表情や身ぶり手ぶりで自分のしてほしいことを伝えてくる。咲さんたちがテスト勉強していても、楽しみにしていたテレビドラマを見ていても、遠慮はしてくれない。

 障がいや病気のある人の兄弟や姉妹は「きょうだい児」とも呼ばれる。家事や介助に追われ、勉強や部活に励めなかったり、家を離れられずに進学や就職先が限られたり。ヤングケアラーに当たる人も多く、支援の必要性が指摘されてきた。

 でも...

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