[法務・税務の専門家がもめない相続教えます](15)

 家族信託の制度を紹介します。家族信託は相続に向けた準備として、認知症対策や分け方対策などの有効性が注目されています。

 例えば、軍用地主のAさん(79)には次のような悩みがあります。親から1万坪の軍用地を4人兄弟で2500坪ずつに分けて相続しましたが、他の兄弟2人が売却してしまいました。Aさんはこれ以上先祖から受け継いだ土地を手放すことなく、子や孫に守ってほしいと考えています。子どもは3人ですが、「分筆や共有にせず3人が納得する形で引き継ぐことができるのか」「次男が浪費家で、贈与でも相続でも、渡したらすぐに使い果たしてしまいそう」という心配もありました。

 このような時に役に立つのが家族信託です。まず、家族信託契約を結び、軍用地の名義と管理権限を長男に移します。この時、受益権と呼びますが、借地料を受け取る権利は...