創業1966年。ソーキそばの考案者として知られる我部祖河食堂(沖縄県名護市)の金城源治さんは、92歳にしてなお現役だ。お客さんが「おいしかった」と笑顔で店を出る姿が何よりの喜びなのは、創業当初から。「沖縄そばの日」のきょうも厨房(ちゅうぼう)に立ち、味を確かめながら具材を盛り付ける。洗い物をしている妻の文子さん(94)と二人三脚。健康第一で、目指すは100歳まで現役だ。

創業1966年。元祖ソーキそばの味を守り、今も厨房に立つ金城源治さん=名護市我部祖河の我部祖河食堂本店

 そば屋を開く前に精肉・鮮魚店を営んでいたという金城さん。豚肉は祝い事で振る舞われる高級品。あばら肉(ソーキ)を煮付けにし、地元の人や子どもに振る舞うと大好評だった。

 開店直後はかつおだしが中心のスープだったが、ソーキの肉汁が際立つ豚骨ベースに変えて今に至る。澄んだスープで満足感のある食べ応え。基本的な味付けは、当時から今も変わっていないという。

 「周りには田んぼしかなかった」という旧羽地村の我部祖河に、当時の名護町からも客が来た。重ねて盛り付けられたソーキそばは「(伊江島の)タッチュー」の愛称で親しまれた。

 海洋博覧会や沖縄観光の盛り上がりで評判は県外にも伝わり、今は地元の家族連れや観光客でにぎわう。金城さんが店に立つ本店には製麺所を併設。本店を含め7店舗を展開する。

 たくさんのソーキを使うので原価は高めというが、金城さんは「絶対に味を落とさず、おなかいっぱいになってもらう。笑顔で送り出し、また笑顔でお迎えする。地域の支えがあったからこそ。お客さんのおかげです」と話す。

 10月17日は「沖縄そばの日」。そば粉を使わなくても「そば」と表示できるよう沖縄生麺協同組合が粘り強く交渉し「本場沖縄そば」として商標登録が認められた1978年の同日を記念している。