那覇市首里赤田町で焼き菓子店「TOUCA BAKE SHOP」を営む竹本良知さん(47)、瞳さん(38)夫妻は今月上旬、店隣にアートスペース「ACUOT(アクト)」をオープンした。近隣の県立芸大生らをはじめ、表現活動の「最初の一歩を踏み出す場」の提供を心掛ける。

焼き菓子店「TOUCA BAKE SHOP」とアートスペース「ACUOT」を運営する竹本良知さん(右)、瞳さん=12日、那覇市首里赤田町

ギャラリー展示や演奏会などさまざまに利用可能なアートスペース「ACUOT」

焼き菓子店「TOUCA BAKE SHOP」(左)とアートスペース「ACUOT」

焼き菓子店「TOUCA BAKE SHOP」とアートスペース「ACUOT」を運営する竹本良知さん(右)、瞳さん=12日、那覇市首里赤田町 ギャラリー展示や演奏会などさまざまに利用可能なアートスペース「ACUOT」 焼き菓子店「TOUCA BAKE SHOP」(左)とアートスペース「ACUOT」

 竹本夫妻は2005年に東京から沖縄へ移住した。焼き菓子店は瞳さんが、南城市のカフェやイベントでの菓子販売などを経て17年3月オープン。良知さんは沖縄移住後、雑誌編集者やフリーライターなどを経て18年4月から瞳さんと共に店を切り盛りする。

 夫妻は在京時、音楽プロダクションに勤め、新人発掘などを担当していた。元々「首里のために何かしたい」との思いはあったが、行動に移すまでには至らず、菓子店の営業に精を出していた。

 転機は昨年7月。音楽プロダクション在籍時にお世話になった上司と県内で再会し、利他主義者の上司に触発されたという。「もう一度、前のように(新人発掘を)やってみよう」と奮起した。

 店から300メートルほどの距離にある県立芸大に着目した。住居だった店隣が貸し出されたことも相まって、芸大生ら若者、県内で活動する作家やアーティスト作品の展示や演奏発表の場を提供しようとアートスペースの設置を思い立った。

 9~17日までの土・日曜日計4日間、県立芸大生のオープニング特別展「つづく」を開催した。発表の場としてだけでなく、新型コロナウイルス感染症の影響でリモート授業が続く学生の交流の場となったことにも手応えがあった。個展、演奏、一人芝居をしたい-などの申し出もあるという。利用料は、学生や一般など利用者に合わせて設定する予定だ。

 「ACUOT」は焼き菓子店名「TOUCA」を逆からなぞった名で、表裏一体で活動していくという意味が込められる。良知さんは「まずは芸大生の『何かしたい』を応援したい」、瞳さんは「『あと一歩』という人を後押しできる発表の場になれば」と話した。