10月から沖縄を舞台にした90秒のショートアニメ「でーじミーツガール」の放送が始まっている。シリーズ構成やキャラクター原案を手がけたのは漫画「おくたまのまじょ」などで知られる那覇市出身のクリエイター・丸紅茜さん。高校卒業までを沖縄で過ごし、現在は東京で活動している。アニメ作品に携わるのは初挑戦という丸紅さん。アニメに込めた思いやふるさと・沖縄について聞いた。(聞き手=デジタル部・比嘉桃乃)

 

【でーじミーツガールとは】
那覇市を舞台にしたオリジナルショートアニメ。MBS・TBS系の全国ネットで10月から放映されている。物語は那覇市のホテルを中心に、少女と少年のひと夏の不思議な出来事を描いている。毎週金曜日午前1時50分頃から。沖縄では琉球放送(RBC)の深夜枠で放送されている。(アニメ公式サイト:https://dejimeetsgirl.okinawa/

―ご出身は那覇なんですね。
高校卒業までは那覇にいて、大学進学をきっかけに上京しました。全然自覚していなかったんですが、沖縄はとんでもなくユニークな場所なんですよね。たまに帰省すると実感します。

―どういったところにユニークさを感じますか。
人の感じが全然違います。建物、街並みも違いますね。そして緑とか空の色の鮮やかさとか自然に圧倒されるんです。離れてみて沖縄は魅力的な場所だったんだなと感じます。「でーじミーツガール」にもそのユニークさがちりばめられていると思います。 

―アニメには沖縄、特に那覇の人にとってはなじみのある場所が出てきます。丸紅さんにとっても思い出の場所なんでしょうか?
波之上ビーチとか(第一牧志)公設市場の界隈は那覇に住んでいる人はみんな思い入れのある風景ですよね。平和通り商店街のあたりに住んでいて、小さい頃からあのあたりはよく歩いてました。 

―主人公の比嘉舞星が着ている制服は那覇高校の制服をイメージされたそうですね。
那覇の街を歩いていてぱっと目に入る制服ですよね。私は那覇高の出身ではないんですが、あのレトロな感じがかわいい。「那覇の高校生を描いて」と言われたときに思いついたのが那覇高校だったんです。

―主人公の比嘉舞星はどんな構想で思いついたんでしょうか。
比嘉舞星は沖縄の女の子です。彼女には沖縄の女の人の「強さ」というイメージを入れたかった。

―商店街歩いていると「強い」お姉さまもたくさんいますよね。
たしかに。沖縄の女性はお姉さまもおばあちゃんも女子高生もみんな強いですよね。笑

元気さだったり、いい意味での雑さ、打たれ強い、他人を受け入れる力など、強さにもいろんな種類がありますよね。

男性は「ソーキが一本足りない」(※「だらしない」を意味する沖縄のことば)みたいな言い方までありますよね。全国見渡してもそんな言い方するの沖縄だけじゃないかと。

1話90秒という中で、あまりセリフも入れられないし、動作も分かりやすくしないといけない。舞星を見ただけで沖縄を感じるキャラクターにしないといけなかった。そこで強さを軸に考えてこのようなキャラにしました。

ー舞星の名字が「比嘉」。私と一緒でうれしいです。
沖縄だと石を投げたら比嘉さんにあたるんじゃないかってくらい、沖縄には「比嘉さん」が多い。沖縄の名字と聞いたときに分かりやすいなとつけました。

ーもう一人の主人公、すずきいちろう(?)は舞星とは対照的ですね。
舞星の逆です。東京からやってくるワケありの客という設定なので、「本土の人」というイメージで考えました。一見冷たくて自分勝手のように見えますが、自分に問題があるときに他人と関わらないようにするのはある意味都会の人なりの優しさ。そういう人が舞星と出会ってどうなるのかと考えながら話をつくりました。

 

―今回の作品で丸紅さんはシリーズ構成に初挑戦されています。沖縄の方言も出てくるんですよね。 

そうです。沖縄の方言も入れて、ファンタジー要素も入れて、女子と男子の出会いを描いて、と色々な要望を全てクリアしなければならず、パズルのような作業でした。(比嘉舞星は)那覇の現代っ子なのでコテコテのうちなーぐちは使ってないと思ったんです。なまり具合で沖縄の子だなって伝わるといいなと考えました。 

お父さんやおばあちゃんはコテコテに(方言を)しゃべってもらっていました。特にアフレコのときに方言指導の方がしっかりめに方言を入れてくださっていたので、思っていた以上に方言がばっちり入っていると思います!

あと、あるキャラが物語の終盤に出てくるんですが完全にうちなーぐちなので、そこには字幕がつくと思いますよ。

ー丸紅さんインタビュー中あまり方言が出てこないですが、家族や地元の友達としゃべるときはやっぱり出ますか?

出ます出ます。本土で暮らしていると本土のことばでしゃべってしまいますね。友達と電話したり、親と電話したりしているとどんどん出てきます。

「いいはずよー」「だからよー」は本土にいてもよく出ます。でも、ここ(東京)だと、「だからよー」は通じないんです。「だから何なの?」って。笑 接続詞だと思われているんでしょうね。

―アニメは沖縄だけでなく、全国で放送されています。

ちゃんと沖縄の魅力が伝わるかなと緊張しています。 

―実際の沖縄にある風景が出てくるので、全国の人にも沖縄を知ってもらえますね。

沖縄の魅力を少しでも知ってもらいたいですし、「沖縄行きたいな」「沖縄行ってみたかったんだよね」と沖縄を思い出すきっかけになってもらいたい。沖縄は去年も今年もいろんな面で大変だったと思いますが、今回の「でーじミーツガール」もそういう面で少しでも沖縄の助けになるような作品になっていればと思います。

 

丸紅茜(まるべに・あかね)=漫画家、イラストレーター

那覇市生まれ。漫画「おくたまのまじょ」で話題を集める。「でーじミーツガール」ではシリーズ構成とキャラクター原案を担う。COMICポラリスで同作品のコミカライズ連載も担当している。
Twitterは@malbeni
Instagramはmalbeniakane