沖縄県警捜査2課は20日、緊急帝王切開手術をしたかのように装い、医療保険者から診療報酬80万円余りをだまし取ったとして、沖縄市の産婦人科医院「あいレディースクリニック」院長(52)=同市=を詐欺の疑いで逮捕した。複数の病院関係者によると、2012年の開業以降、診療報酬の架空請求は常態化し、不正受給額は巨額に膨れる可能性がある。県警は実態解明を急ぐ。

沖縄県警(資料写真)

 県警は認否を「捜査に支障がある」として明かしていない。容疑者は逮捕前、本紙取材に対し「事務スタッフのミスがあったかもしれない。あれば訂正したい」と関与を否定。だが、複数の関係者が「帝王切開でいく、と院長に言われた」と証言していた。

 逮捕容疑は18年6月上旬~7月20日、緊急帝王切開手術の事実がないにもかかわらず、実施したかのように虚偽の診療報酬明細書(レセプト)を作成、診療報酬として全国健康保険協会(協会けんぽ)などに手術費や薬剤費を請求。自身名義の口座に計約82万円を振り込ませた疑い。

 元職員は本紙に「(容疑者から)虚偽のレセプトを書くよう指示された」などと証言。本紙が入手した不正請求のあった分娩(ぶんべん)記録とレセプトには、自然分娩を意味する「経膣分娩」と分娩記録に記載がある一方、レセプトには「緊急帝王切開術」と書かれていた。

 捜査2課と沖縄署の合同捜査班は7月末、診療報酬の不正受給の疑いがあるとみて同クリニックを家宅捜索し、患者記録を押収。院関係者から聴取するなどして裏付けを進めていた。

 診療報酬の不正請求は健康保険法違反となり、違反すれば保険医療機関の指定、保険医の登録取り消しとなる場合がある。