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基地や振興で違い鮮明 沖縄1区候補者インタビュー

2021年10月21日 06:40

 31日投開票の衆院選を前に、沖縄タイムスは20日までに、沖縄1区の各候補者に選挙の最大争点や選挙区の課題、選挙戦の手応えやPRポイントなどをインタビューした。

政策を訴える赤嶺政賢氏=那覇市泊・日本共産党沖縄県委員会

政策を訴える国場幸之助氏=那覇市牧志・いとみね会館

政策を訴える下地幹郎氏=那覇市おもろまちの選挙事務所

政策を訴える赤嶺政賢氏=那覇市泊・日本共産党沖縄県委員会 政策を訴える国場幸之助氏=那覇市牧志・いとみね会館 政策を訴える下地幹郎氏=那覇市おもろまちの選挙事務所

政権交代で辺野古阻止

■赤嶺政賢氏

 -衆院選の最大争点は。

 「憲法と民主主義を破壊した弱肉強食の安倍・菅政治が岸田文雄首相に引き継がれた。これを転換する政権交代、野党共闘の『オール沖縄』の必要性を強く訴える。名護市辺野古の新基地建設も最大争点だ」

 -選挙区内の課題は。

 「那覇軍港の無条件返還、那覇空港の軍民共用の問題などがある。離島の定住人口を増やすための産業振興や新型コロナ対策にも取り組む」

 -沖縄関係予算などを巡る政府対応の評価は。

 「県と政府の対立をいつまで続けるのかという考え方は、そもそも間違っている。県民投票で示された辺野古反対の民意を、政府が壊しているだけだ」

 「オール沖縄は、政治的立場を超えて辺野古反対で一致する勢力。知事にはその代表として、辺野古反対の民意を政府に訴えてほしい」

 -辺野古問題やPFOS汚染などに政府はどう取り組むべきか。

 「PFOSがどれだけ基地の中に保存されているか、何に使っているか、土壌汚染はどの程度か、エビデンスに基づいた科学的調査をすべきだ。そのためには米軍基地の立ち入り調査が不可欠だが、米軍に排他的管理権を認める日米地位協定の壁がある。抜本的改定に政府は弱腰。対米追従の姿勢を改めるべきだ」

 -安倍、菅内閣の沖縄政策の評価は。

 「辺野古も含め、基地の拡大強化を先導した強権政治の責任は重い。基地問題と沖縄振興をリンクさせる態度はあからさまだった。自民党は沖縄の特殊事情を踏まえ、償いの心を持って振興に当たるという原点に立ち返るべきだ」

 -沖縄振興特別措置法の国会審議に向けた決意は。

 「徹底審議が必要だ。各界の関係者を国会に招き、参考人として意見を聞くべきだと考える。産業振興やインフラ整備を進めてきたが、県民所得は向上しない。国政を変えなければ実りある振興策にならない。政治の転換が必要だ」

 -選挙戦の手応えは。

 「街頭演説などをする中で熱気を感じる。その根底にあるのは、辺野古に基地は造らせない、オール沖縄を強く大きくしようという人々の気持ちだ」

 -那覇軍港の跡地利用をどう考えるか。

 「地権者ら関係者抜きに開発構想を立ててはいけない。利権を排除した形で、要望をしっかり踏まえ、地権者や専門家、自治体が協議して決めるべきだ」

 -自身の強みは。

 「政権を監視する能力。沖縄の歴史や基地問題を国会で真っ向から伝えてきた。沖縄を知らない政治家は、首相や閣僚になる資格はない。それが信念だ」(聞き手=衆院選取材班・新垣卓也)

コロナと次期振計に力

■国場幸之助氏

 -最大の争点と、一番訴えたいことは。

 「新型コロナ対策と沖縄の振興。ワクチン接種の迅速化を図りながら陰性証明やPCR検査、接種証明書等を活用し経済を動かしていく。今後は3回目接種や、経口薬の普及に取り組む。沖縄振興に関しては、来年復帰50年という大きな節目なので、希望あふれる沖縄振興計画を、県民と共につくっていきたい」

 -選挙区の課題は。

 「那覇を中心として、多くの離島を抱えている。離島のサトウキビをはじめとする農林水産業の振興、物流コストの低減など、不利性の軽減措置は必要だ。都市部は一人所帯が非常に多い。高齢化が進む中、一人で生活していけるよう公共交通政策も必要だと思う。子どもの貧困対策では、大人の貧困をなくすことが大事。母子世帯の稼ぐ力を高め、非正規雇用の給与を安定させていく。岸田文雄政権の成長と分配の好循環と重ねて、都市部の格差是正にも努めていきたい」

 -一括交付金減額など政府の厳しい対応への評価と、県政に何を求めるか。

 「関係性の問題で、お互いに課題がある。沖縄の特有の条件から、さまざまな特例制度や税制は必要。その上で、当初の目的にかなっているのか説明がつくように中身を見ないといけない。知事は、政府の信頼を勝ち取るのも大きな役割。基地問題でスタンスが違っても、県益と国益を調整して交渉する能力が必要だ」

 -米軍のPFOS汚染などにどう対応すべきか。

 「沖縄の基地問題の大きな課題は、管理権だ。面的な整理縮小も大事だが、質の面において、日本政府が米軍の管理権に関与できるかが大事だ」

 -安倍・菅内閣の沖縄政策の評価は。

 「沖縄振興は一生懸命やったと評価している。ただ、やれることだけでなく、やるべきこともやらないといけない。岸田首相には、もっと頻繁に沖縄に足を運んでもらい、厳しい声も含めて聞いて対話の糸口を見いだしてもらう」

 -沖縄振興特別措置法の審議に向けた意気込みは。

 「特殊事情がある以上、沖縄特有の特例、税制は継続をすることを求めたい。ただそれは必要条件であって、可能性を形にする十分条件には至ってない。どういう沖縄の将来をつくっていきたいのか、県民の声を大事にしながら、振興計画の策定に努めていく」

 -自身の強みはなにか。

 「一つは総裁派閥の与党議員だということ。嘉数知賢さん以来21年ぶりだと思う。また、私が一番若い。県議や国会議員3期、沖縄初の外務大臣政務官などを経験した。年齢と経験、これからの可能性で、県民のために力を尽くしていきたい」(聞き手=衆院選取材班・川野百合子)

経済復活の具体策示す

■下地幹郎氏

 -争点は。

 「新型コロナ後の沖縄をどうするのかを『見える化』し、経済復活の方法を具体的に示すことだ。コロナ対策は(1)PCR検査(2)空港のゲートチェック(3)家庭内感染阻止のための大型療養施設の運用(4)10代のワクチン接種率向上-の4本柱。事情があってワクチンを打てない人が月に5回、無料でPCR検査を受けられる制度も認め、ワクチン差別をなくす。経済は国のGo To キャンペーンに、沖縄には予算と仕組みを上乗せして相乗効果を生み出す」

 -1区の課題は。

 「貧困など沖縄全体の課題が1区にはある。ベーシックインカム制度を導入し、電気と水道、電話の公共料金を減免する。低所得で教育を受けるチャンスを失っている子どもが多く、教育の無償化も重要だ」

 -那覇軍港の返還後の可能性は。

 「那覇市の新都心は開発までに30年かかった。そうならないよう、軍用地の間でも民間が活用できるような仕組みや法律を整える必要がある。いまはどんな絵を描くかより、まずは仕組みづくりが先だ」

 -辺野古問題の対応は。

 「最高裁の司法判断を尊重する政府は、埋め立てをやめる根拠を失い、政治もまた、その問題に入れなくなっているのが現状だ。必要なのは現実的な代案を示すこと。私が提案する馬毛島の活用は沖縄の基地負担の大幅な軽減につながる。SACO合意に続く新たな日米間の合意『SACO2』をつくることを、県知事と政府で合意すべきだ」

 -安倍・菅内閣の沖縄政策の評価は。

 「西普天間の開発、浦添市牧港の国道58号の拡張、北部訓練場の返還、名護東道路の全線開通など、さまざまな成果がある。ただ、辺野古反対という民意がある中で、成果がクローズアップされず、なかなか評価につながっていないのが現実だ」

 -基地問題に政府が取るべき姿勢は。

 「まずは日米地位協定が平等に扱われるように変えるべきだ。政府間の交渉事でなかなか前に進まないのが現状だが、県も努力すべきだ。副知事を3人に増やし、基地問題に特化した人事を提案する。在沖米軍トップの四軍調整官を訪ねてコーヒーを飲めるくらいの関係性を構築するなど、パイプづくりがなされていないのは問題だ」

 -選挙戦の手応えは。

 「今回ほど、どぶ板に徹した選挙は経験がない。体重が10キロ減るほど。今後の追い上げが鍵になるが、私と後援会、『保守合同の会』の頑張りが24日までには形として見えてくるはずだ。強みの提案力と結果を出す力をPRしていく」(聞き手=衆院選取材班・山城響)

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