高級海産物を狙う密漁者や畑を荒らすイノシシなどの被害防止に役立てようと、沖縄県国頭村と国頭漁協は20日夜、ドローンを駆使した実証実験を行った。温度を感知するサーマルカメラを搭載したドローンを飛行させ、上空から密漁者役の行動や畑を歩くイノシシの撮影に成功した。密漁対策にドローンを使うのは全国的にも珍しいという。

画面中央に赤く映る畑の中を歩くイノシシ=20日、国頭村

 実験はドローンを活用した産業問題の解決事業などを手掛ける大阪市のドローンヒーローズ(田中愛梨社長)の協力で実施した。

 村の沿岸では近年、イセエビなどの密漁被害が相次いでおり、漁協は対策に力を入れている。同日は密漁者役の組合員が素潜りで漁をする様子を、陸からリモコンのモニター画面で確認しながらドローンで撮影。密漁者役が漁獲物や違法な漁具を持っている姿も確認できた。

 密漁者役をした組合員は「水中ではドローンの音は全く聞こえなかった」と話し、漁協潜水部会の伊藤和浩部長は「現行犯の証拠をしっかり押さえて、より確実に検挙につなげることができる」と期待する。

 イノシシによる被害対策の実験では村奥間の畑を上空から撮影。1頭の成獣とみられるイノシシが畑の中を歩きながら何かを食べる様子が確認された。村担当者は「イノシシの巣や行動パターンを把握することで、効果的な駆除作業につながる」と話した。