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基地の加重負担どう解決? 沖縄2区候補者インタビュー

2021年10月22日 06:14

 衆院選で沖縄2区から立候補した自民前職の宮崎政久氏(56)=公明推薦、社民新人の新垣邦男氏(65)、維新新人の山川泰博氏(51)が、選挙区内に抱える普天間飛行場の移設問題や新型コロナウイルス対策、沖縄振興計画などについて語った。また、NHK党新人の中村幸也氏(41)の主な政策も紹介する。

沖縄2区の候補者。(右から)宮崎政久氏、新垣邦男氏、山川泰博氏、中村幸也氏

コロナ後の再建に責任

■宮崎政久氏

 -衆院選最大の争点は。

 「コロナ禍で傷ついた沖縄社会を立て直し、県民生活や命をどう守り抜くかが問われている。政治が責任を持たなければいけない」

 -沖縄2区の課題は。

 「米軍施設が集中しており過重な基地負担がある。しかし逆に言うと返還予定の基地もある。沖縄の難しい問題と将来に向けた発展の可能性両方が凝縮されている場所だ。普天間飛行場危険性除去という課題に向き合い、また跡地利用の可能性を県民から多くの声を聞いて夢を描く。この両方を同時に、具体的に進めていくことが一番の課題だ」

 -沖縄関係予算について。

 「地域の国家予算は地方と中央との交渉の中で積み上げていくものだが、県の努力が足りない。他県では各省庁と折衝を重ねる。沖縄は内閣府という統一窓口があるがそこに甘えていないか。玉城デニー知事から直接国会議員の携帯電話に連絡して要請する、そのような努力も不足していたのではないか」

 -那覇軍港移設について改めてスタンスを。

 「沖縄全体の過重な基地負担を軽減していくために、県民同士も互いに協力することが必要だ。無条件返還が今の交渉状況でできないなら次善の策を取らないといけない。その策が移設なら全体として基地負担の軽減につながる。そこは協力したいので賛成だ」

 -安倍・菅内閣の評価。

 「これまでの振興策で県民の暮らし向上に多大な貢献を頂いた。コロナ前は観光をはじめ経済も好調に推移した。北部訓練場の部分返還、2区で言えばキャンプ・キンザー一部返還と国道58号拡幅、長年できないとされてきた認可外保育園の防音工事も実現した。目に見える形で基地負担軽減を進めてきた」

 -普天間飛行場の早期閉鎖について。

 「普天間飛行場の危険性除去は最優先の課題。政府は具体的な方法と期限を明示した。それが県民の命に対して誠実な政治姿勢だと思う。相手候補が具体的な方法を示さないなら誠実な姿勢ではない」

 「普天間の5年以内の運用停止の議論も含め交渉の席を壊しているのは国と裁判闘争を繰り返す現県政だ。わが国の周辺の安全保障環境を考えれば沖縄の抑止力を維持できるような備えも必要。平和は、努力してつくるものだ」

 -他候補にない強みは。

 「衆院議員を3期やった。地元の要望実現には国政の経験値が必要だ。また弁護士として弱い立場の人に寄り添ってきた。法務大臣政務官就任時には人権擁護の担当を希望した。困っている人を助けたい。弁護士、政治家でも同じ思いだ」(聞き手=衆院選取材班・又吉俊充)

新基地強行の政権清算

■新垣邦男氏

 -最大の争点は。

 「衆院選は政権選択選挙だ。辺野古新基地建設の強行により、沖縄の民意をないがしろにしてきた安倍・菅内閣を総括し、清算するかだ。自公政権からの交代を実現させ、民意に従う政治、沖縄に寄り添う新たな政権を誕生させたい」

 -最も訴えたいこと。

 「衆参合わせて24年間、2区の議席を守ってきた照屋寛徳さんの政治信念『ウチナーの未来はウチナーンチュが決める』を引き継ぐ。照屋さんは米軍基地が集中し、基地被害から県民の人権と尊厳を守るため、政府と真っ向から対峙(たいじ)してきた。この大切な議席を守ることが私の使命だ」

 -沖縄2区の課題は。

 「米軍嘉手納基地と普天間飛行場を抱え、安全保障の負担と犠牲が集中している。住民は日常的に米軍機の騒音に苦しめられ、部品落下の恐怖にさらされている。有機フッ素化合物PFAS(ピーファス)を含む排水を独自処理して排出した問題など、本土復帰50年を迎える現在も沖縄は『憲法番外地』だ」

 「日米地位協定を全面改正すべきだ。特に米軍の基地管理権の改正を実現させたい。国内法を順守させ、活動そのものを抑制することが必要だ」

 -辺野古問題の対応。

 「県民投票で辺野古新基地は反対の民意が示され、軟弱地盤の存在も明らかになった。政権与党が辺野古唯一と固執するのは怠慢であり、政治で新基地建設は止まる。普天間飛行場の運用停止も実現できる」

 -那覇軍港移設。

 「浦添に限らず、移設は反対。貴重な自然海岸を埋め立てることはナンセンス。遊休化の那覇軍港は無条件で先行返還を求める。浦添ふ頭の港湾整備と市の西海岸開発が軍港移設や統合計画とリンクしていることで進捗(しんちょく)に遅れが生じている。基地が経済振興の阻害要因になっている」

 -沖縄振興特別措置法の審議に向けて。

 「沖縄振興策は国の責務。酒税など一部の税制特例措置や特区制度は見直しの時期にあるが、県民生活や県内産業に影響を与える政策は継続すべきだ。高率補助制度や沖縄振興開発金融公庫の存続も求める。新たな振興の方向性を県政と協力してまとめ上げ、法案に落とし込むことが県選出国会議員の責務と考える」

 -自身の強みは。

 「米軍基地を抱える北中城村で4期16年間、村長を務め、県町村会長も経験した。医療・福祉や子育てなど、地方自治が抱える問題と基地や経済振興、離島振興などの沖縄特有の課題は見えている。民主主義や地方自治の本旨は住民自治。暮らしに根差した住民の声を政治に反映させたい」(聞き手=衆院選取材班・砂川孫優)

製造や観光 自立へ重要

■山川泰博氏

 -最大の争点は。

 「来年は新たな沖縄振興計画もスタートする。これまでの振興策でインフラの格差は縮まったが、1人当たり県民所得は全国平均の約70%。子どもの貧困率も高く、県民生活が安定していない。製造業の割合も低く、自立経済のためには付加価値の高い製造業と観光業の振興が不可欠だ。加工品を海外に輸出する貿易特区などにも可能性があると思う。スポーツ振興の重要性も訴えたい」

 -沖縄2区の課題は。

 「普天間飛行場の危険性除去。日米両政府が真摯(しんし)に対話を重ね、双方が合意可能な新たな基地負担軽減プランを提案できないかと考えている。名護市辺野古の新基地建設は軟弱地盤の存在が明らかになり、完成までさらに十数年かかる。工費が約2兆5千億円に上るとの試算もある。危険性除去を優先するには、訓練場所の県外・国外への移転を含む新プランが必要だ」

 -沖縄関係予算などを巡る政府対応の評価は。

 「沖縄戦や米軍統治の歴史、過重な基地負担など特殊事情を踏まえ予算編成に当たるべきだ。振興のための予算が県外企業の事業受注により、県内にお金が落ちない現状の改善を知事や政府に求めたい」

 -那覇軍港移設は。

 「賛成だが、米軍専用施設の設置に係る手続法の制定が必要ではないか。勝手に辺野古に基地を造ると決め、政府はこれを強行している。そうではなく、住民説明会や意見募集で合意形成を図る方がいい」

 -安倍・菅内閣の沖縄政策の評価は。

 「民意を無視して辺野古新基地建設を進めるのは、いかがなものかと思う。県民所得や子どもの貧困など課題も多く、格差社会が広がっている。沖縄政策の在り方を見直すべきだ」

 -沖縄振興特別措置法の国会審議に向けた決意は。

 「自治体への事務権限や税源の移譲が必要だ。国は沖縄関係予算を一括計上するが、それをやめれば県内企業が受注できる仕組みも作りやすいはずだ」

 -普天間の運用停止は。

 「米軍のグアム移転計画で、在沖海兵隊のほとんどを統合するとされている。それを前提とした場合、辺野古の完成を待って普天間を閉鎖するというのはナンセンスで、訓練移転などで負担軽減を優先できないか、党内外で訴えたい」

 -自身の強みは。

 「琉球政府の立法院議長だった祖父から『世のため人のため役に立つ男になれ』、父からは『弱い方々を助けなさい』と言われて育った。それが政治を志したきっかけ。教えを守り、これまで28年間ボランティア活動に取り組んだ。人を育て、人を助ける思いは負けない」(聞き手=衆院選取材班・新垣卓也)

子の安心へ環境整える

■中村幸也氏

 心理カウンセラーの中村幸也氏(41)=NHK党=は主要争点に子育てや教育、貧困問題を据え「子どもたちが安心して楽しく暮らせるような支援が必要だ」と訴える。

 中村氏は「学校以外での多様な学び方を認め、学校に行かない選択をした子どもたちが学べる環境を整えていく」として、大人の押し付けではなく、子ども自身が幸せだと感じる教育環境をつくる必要があると主張する。

 また、オンライン授業に向けた環境づくりも重視し、インターネット環境が整っていない家庭へのパソコンなどの配布やWi-Fiルーターの無料貸与も掲げた。生活に必要な最低限の金額を一律に給付する「ベーシックインカム」の導入も提言する。

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