長期滞在型で特色あるツアー開発や宿泊プランを打ち出す動きが沖縄県内で広がっている。新型コロナウイルス禍による生活様式の変化を受け、より多くの観光客を呼び込む従来型モデルから、密を避け沖縄の自然や歴史・文化を体験する付加価値の高いツアーや、ワーケーションなど新しい働き方に対応した長期滞在プランを強化し新たな需要を開拓。沖縄観光の課題とされる収益力の向上にもつなげる狙いだ。(政経部・伊禮由紀子)

電動アシスト自転車で7日間かけて沖縄本島を一周するツアー(OCVB提供)

西表島の自然を事前のオンラインツアーで学習して体験するプログラム(OCVB提供)

電動アシスト自転車で7日間かけて沖縄本島を一周するツアー(OCVB提供) 西表島の自然を事前のオンラインツアーで学習して体験するプログラム(OCVB提供)

 沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB、下地芳郎会長)はこのほど、内閣府の補助を受け、沖縄の資源を生かした観光サービスの開発とその検証のためのモニターツアーを行う22事業を選定した。

 帆掛けサバニで離島を巡りながら糸満の海人文化を体感するツアーや、八重山の自然を体感しつつ三線を習得するプログラム、電動アシスト自転車で沖縄本島を一周するツアー、北谷町で子ども向け英語体験プログラムが付いた親子でワーケーション滞在ができるプランなどいずれも個性的な体験ができるプランだ。平均5泊以上で、沖縄ならではの体験をじっくり楽しめるのも特徴となっている。

 11月ごろから来年2月にかけて県外在住者を対象にモニターツアーを実施し、参加者のアンケートや有識者の提言を踏まえて、補助終了後もこうした旅行プラン販売を続け収益を上げることを目指す。

 下地会長は「沖縄に関心のある層をターゲットに新たな体験を提供することでリピーターを増やし、消費単価と滞在日数の向上につながれば」と期待を寄せる。

 県内のリゾートホテルでも、観光客のほかコロナ禍による働き方の変化で生まれたワーケーション需要の取り込みに向け、長期滞在型のプランを続々と打ち出している。

 前田産業ホテルズ(名護市)は、運営する三つのグループホテルの客室を一定期間、目的に応じて自由に利用できる「ウイークリー&マンスリーオーナー契約宿泊プラン」を限定で販売する。複数の人が入れ替わりながら複数のホテルを利用でき、法人需要の開拓を目指す。

 ホテル日航アリビラ(読谷村)は「30泊30万円」のプランを12月までの期間限定で販売。滞在中はヨットセーリングや屋内プールが無料で楽しめる。「美しい自然に囲まれて暮らすように過ごす」をテーマに、リゾートホテルならではの眺望を強みに、生活や仕事の活動拠点としてホテルを活用してもらう狙いだ。

 リモートワークの普及で観光以外の滞在の可能性も広がる中、新たな価値の提供に向け業界の模索が続いている。