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基地問題解決や沖縄振興のあり方に違い 沖縄3区候補者インタビュー

2021年10月23日 06:09

 衆院選で沖縄3区から立候補した立民前職の屋良朝博氏(59)、自民新人の島尻安伊子氏(56)=公明推薦=が、沖縄振興の在り方や名護市辺野古の新基地建設の是非について語った。

屋良朝博氏(右)と島尻安伊子氏

沖縄支配の構造打破へ

■屋良朝博氏

 -最も訴えたいことは。

 「振興策と米軍基地問題がリンクしているという『リンク論』や、政府に近いから交渉できるという『パイプ論』はあり得ず、沖縄の民意を縛り日本の民主主義に深刻な影響を及ぼす。予算は行財政ルールに基づいて配分されるが、沖縄では政治が過度に介入して実態のないイメージがつくられている。支配の構造を明らかにして崩さないといけない」

 「名護市辺野古の新基地建設は不条理な公共工事だ。沖縄の民意を無視し、軟弱地盤が見つかったにもかかわらず無理やり進めている。だが、それでもいいという政治がある。そこに『リンク論』と『パイプ論』が関わっている。この国では正義は貫けないのかということになり、非民主的な政治との闘いだ」

 -2014年の故翁長雄志知事就任以降、一括交付金は減り、22年度の沖縄関係予算の概算要求は3千億円を下回った。政府の対応について。

 「予算は必要なときに必要な額を払うのもので、その時の事情に応じて配分されるというのが財政の基本的ルール。ただ一括交付金は沖縄県が自由に使える民主党政権の時にできた予算だ。それを減らしながら、政府が直接市町村に渡す予算が増えている。国が直接自治体の予算まで左右しようとしている」

 -安倍、菅内閣の沖縄政策への評価は。

 「公文書改ざんや隠蔽(いんぺい)・捏造(ねつぞう)があり、国民を裏切ってきた。その非民主的な政治の中に沖縄の基地問題が押し込められている」

 -沖縄振興特別措置法の国会審議に向けた決意は。

 「虚構の中にある振興策を検証して見直す。沖縄予算の1人当たりの額は、全国的に見て決して特別扱いされている額ではない。それをあたかも特別扱いしているかのように、基地問題までリンクさせているのが今の自民党の政治だ。沖縄の民意をコントロールしようとしている」

 -「沖縄島北部」の世界遺産登録が決まった。観光振興と自然保護の両立をどうとらえるか。

 「地球温暖化が進む中でグリーンツーリズムの重要性を学べる場所にしていければいい。沖縄科学技術大学院大学もあり、今まで壊してきたものを再生産するような技術を沖縄でつくれたら素晴らしい」

 -安定した医療サービスの提供について見解は。

 「新型コロナウイルスの流行で分かったのが、全国的に医療体制が脆弱(ぜいじゃく)だったこと。自民党政権時に合理化が進み、公立病院や保健所などが減らされた。公的医療の重要性をもう一度見直して、離島を含む地方医療の強化を訴えたい」(聞き手=衆院選取材班・国吉聡志)

女性の経済的自立支援

■島尻安伊子氏

 -最大の争点は。

 「『第6波』に備えた新型コロナウイルス対策とコロナ後の経済の立て直し、10年に一度の改定時期となっている沖縄振興法の構築だ」

 「経済政策では、選挙後に速やかに大型補正を組んでコロナで打撃を受けた業界に支援を行い、観光の本格的な復興を目指したい。緊急事態宣言も解除され、必要な支援の形も変わってきていると感じる。コロナでは弱い立場の人が大きな打撃を受けている。特に女性の就業と生活の困窮に向き合い、女性の経済的自立を強力に支援したい」

 -沖縄関係予算などを巡る政府対応の評価は。

 「予算減額は大変残念だが、玉城デニー知事はもっと危機感を持って内閣府に予算を要求すべきだ。国の地方創生の方針と連動した取り組みなど、県が国と一緒にやっていく姿勢が必要。ぜひとも国政に戻り、予算の上積み交渉に挑戦したい」

 -安倍、菅内閣の沖縄政策の評価は。

 「2012年12月の安倍内閣発足以降、沖縄振興と基地負担軽減に多大な貢献をした。3千億円台の沖縄関係予算の確保や那覇空港第2滑走路整備の前倒し、沖縄アリーナの早期整備、名護東道路の早期供用開始、西普天間地区の健康医療拠点の整備などの政策が前に進んできた。基地負担軽減でも、北部訓練場の過半の返還や西普天間地区の返還、キャンプ・キンザーの一部返還、那覇軍港の移設などは政治主導で成し得た。評価したい」

 -沖縄振興特別措置法の国会審議に向けた決意は。

 「教育・医療など、人に対する予算措置を新たな沖振法の柱としたい。県内の北部と中南部では、インフラだけでなく、教育や医療の格差もある。教育・医療の機会均等や人材育成による産業競争力の強化を盛り込みたい。また、中北部には東部海浜開発など大型事業がまだまだ残っている。10年スパンの大きな枠組みで計画することで予算を確保し、次の沖縄のビジョンを描きたい」

 -基地負担の現状を改善できない政府への評価は。

 「普天間飛行場の危険性除去が一丁目一番地だ。国会で議論をした経験からも、現行計画を着実に進めることが一番の近道だ。玉城知事が訴える新たな日米合意は、交渉だけで時間がかかり、そもそもまとまるかどうかも分からない。これ以上の遅れは許されない」

 -自身の強みは。

 「参院議員として9年の経験をさせていただき、沖縄担当大臣も務め、当時沖縄関係予算3350億円を大臣としてまとめた。国会に復帰したらすぐに即戦力として働ける経験がある」

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