那覇市具志のゲーム喫茶店で昨年5月に従業員の男女2人が刃物で切られ死傷した事件で、強盗殺人と強盗殺人未遂の両罪に問われた土木作業員の被告(51)=糸満市=の裁判員裁判の初公判が25日、那覇地裁(大橋弘治裁判長)であった。被告は「最初から殺害目的で強盗に入ったわけじゃない」と殺意を否認し、弁護人も「強盗致傷罪、強盗致死罪の成立にとどまる」と主張した。

那覇地裁(資料写真)

 殺意の有無のほか、自首が成立するかも争点。被告は事件翌朝に出頭したが、検察側は、直後から犯人の可能性が高いと警察が把握していたとして「自首は成立しない」とし、弁護側は、犯人が誰かは判明していなかったとして「成立する」とした。

 検察側の冒頭陳述などによると、被告は店の常連客で、昨年5月25日午前6時すぎ、従業員の女性=当時47歳=の首にカッターナイフを突き付け脅し、男性従業員=当時33歳=とそれぞれ持っていた店の現金が入った財布2個をカウンター上に置かせた。男性は四つんばいにさせられた後に首などを切られ重傷。女性は右腕や首を切られ、失血死した。

 証人尋問で、被害に遭った男性は四つんばいで「もうおまえら刺すからよ」と言われたことや負傷後に3人で押し合いになったことなどを説明。痛みの残る傷痕や、切られた左親指の後遺症についても語った。

 弁護側は、被告がカッターを路上で拾い、借金返済のため現金を脅し取ることを考えたとし「脅すだけのもので人を傷つけるためではなかった」と主張。抵抗されてパニック状態になってカッターを振り回したことで結果的に2人が死傷したとして「危険な部位を狙ったわけではない」とし、精神障害も影響したと述べた。

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