結婚により皇室を離れた秋篠宮家の長女眞子さんが、夫となった小室圭さんと共に記者会見に臨んだ。

 婚約内定から4年余り。ようやく迎えた門出の日だ。

 眞子さんが胸中を語った冒頭発言で印象に残ったのは、何度も繰り返した周りへの「感謝」の言葉と、「結婚は、自分たちの心を大切に守りながら生きていくために必要な選択」だったという覚悟がこもった表現。

 近く圭さんが拠点を置く米国で新生活を始める予定という。

 それにしても異例ずくめの結婚である。

 圭さんの母親と元婚約者の金銭トラブルをきっかけに結婚への賛否が渦巻き、結婚に伴う皇室慣例儀式は全て見送られた。皇室を離れる際に支給される一時金の受け取りも辞退するに至った。

 この日の会見も冒頭発言だけで、報道陣の質問には文書で回答する変則的なものとなった。眞子さんが一部の質問に「強い不安」を感じたからだという。複雑性心的外傷後ストレス障害(PTSD)と診断されたこととも関係しているのだろう。

 プライバシーまで踏み込んだ記事や、人格をおとしめるようなインターネット上の書き込みなどに、心を痛め、体調を崩したのは気の毒でならない。

 圭さんは母親の金銭トラブルについて、元婚約者側に「解決金を受け取っていただきたい」と述べ、できる限りの対応を明らかにした。

 金銭トラブルは母親の問題ではあるが、「国民の納得」を得ることも重要だ。

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 文書による回答で眞子さんは新生活への不安を明らかにした。

 「一番大きな不安は私や私の家族、圭さんや圭さんのご家族に対する誹謗(ひぼう)中傷がこれからも続くのではないかということです」

 皇室を離脱し、新たな人生の一歩を踏み出した女性が、希望を語るのではなく、おびえにも似た心情を吐露したのである。

 なぜ、これほどまでにバッシングが拡大したのだろうか。

 秋篠宮さまが皇位継承順位第1位の皇嗣となったことで、眞子さんの弟に当たる悠仁さまが皇位を継承した場合、圭さんは「天皇の義兄」になる。ネット上では、そのことに対する反発の書き込みが相次いだ。

 一時金の受け取り辞退も「国民が望まない結婚への支出はおかしい」との執拗(しつよう)な批判が背景にある。

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 眞子さんの結婚を巡る今回の「騒動」は、皇室制度が抱えるさまざまな問題を浮かび上がらせた。

 憲法や皇室典範によると、天皇の位は世襲で、男系の男子が継承すると定めている。

 世論調査などでは女性・女系天皇を容認する意見が多いにもかかわらず、皇族の数が減少しつつある中にあっても、国民的な議論はいたって低調だ。

 男女平等、基本的人権という憲法に規定された価値と象徴天皇制の関係についても、議論は深まっていない。