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健康被害、協定違反、外来機… 第3次嘉手納爆音訴訟の争点まとめ

2017年2月22日 18:45

<夜間の地上音>騒音の実態把握必要

 今回の判決では、嘉手納基地の特徴である夜間早朝の騒音、特に充電やエンジン調整などの地上音による被害をどう評価するかがポイントになる。飛行音に加え激しい地上音が、住民の睡眠を妨げ健康に影響するとされるからだ。

 だが、賠償の基準になっている国の騒音コンターは、飛行音が評価対象の「うるささ指数(W値)」をもとにしており、地上音はほぼ反映されていない。

写真を拡大 地上音・飛行音の夜間の年平均騒音レベルコンター

 そのため住民側は、被害の実態を評価するには、地上音を含む夜間騒音の把握が必要と指摘。さらに、健康影響との関連を詳しく示した「欧州夜間騒音ガイドライン」のような視点が必要だと訴えている。

 同ガイドラインは、「夜間に屋外で40デシベルを超える騒音にさらされた住民には健康への悪影響が生じる」、50デシベルで高血圧や心筋梗塞、60デシベルでは精神障害の発症リスクが高まるとする。

 松井利仁北海道大教授(環境衛生学)作成の地上音を含む夜間騒音コンターによると、40デシベル超は嘉手納町全域、北谷町ほぼ全域、沖縄市や読谷村、うるま市の一部と本島中部の広範囲に及ぶ。飛行音の最大騒音レベルでは中部ほぼ全域で睡眠妨害が生じるとされる「60デシベル」の発生を推定している。

<基地周辺の現状>外来機増 悪化の一途

写真を拡大 米軍嘉手納基地に着陸するFA18戦闘攻撃機=16日午前10時31分

 米軍嘉手納基地周辺では近年、外来機による騒音被害が増している。その上、さらなる悪化につながる情報が相次いでいる。

 騒音が激しいF35戦闘機や空軍のCV22オスプレイの飛来などの基地機能の強化、騒音コンター(分布図)見直しによる救済範囲の大幅縮小、旧海軍駐機場の使用などだ。同基地運用の先行きを巡る住民の反発と懸念は高まっている。

 周辺自治体や議会などはその都度、住民被害をなくすよう日米の関係機関に訴えるが、現時点で解消につながる日米両政府の正式な見解は示されていない。

 そんな中、住民から大きな反発の声が上がったのは旧海軍駐機場の空軍による使用だ。日米両政府は約20年前、負担軽減策として旧海軍駐機場を滑走路反対側の沖縄市側に移すことで合意したが、ほごにされた。

 嘉手納町屋良側にあった駐機場は昼夜を問わぬエンジン調整によって騒音や悪臭被害をまき散らしてきた。ことし1月ようやく全機が移された。旧駐機場は騒音を発生する使用は許されないことが嘉手納町や日本政府側の認識。しかし、米本国から飛来した空軍の外来機が使い、エンジン調整で騒音を発生させた。

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