沖縄県金武町とドイツの清掃機器メーカー、ケルヒャーの日本法人「ケルヒャージャパン」は町内で10月28日、高温水を散布して特定外来生物「ツルヒヨドリ」防除の実証実験を始めた。除草剤の使用に比べて人や環境に優しく、人の力での抜根と比べ作業負担の軽減や除草作業の効率化が期待される。関係者らは「新たな防除の方法として、効果を見極めたい」と話している。

高圧洗浄機を使い、温水を散布する作業員

試しに27日に温水を散布し、1日経過した後のツルヒヨドリ=10月28日、金武町金武

高圧洗浄機を使い、温水を散布する作業員 試しに27日に温水を散布し、1日経過した後のツルヒヨドリ=10月28日、金武町金武

 キク科のツルヒヨドリは「mile a minute weed(1分間で1マイル伸びる草)」の異名を持ち、1日で10センチ成長するともいわれる。繁殖力が非常に強く、他の植物が生育できないほど成長するため、生態系や農作物への影響が懸念される。

 町農林水産課によると、町内各地でもツルヒヨドリの繁茂が確認されている。町職員が有効な防除方法をインターネットで調べる中でケルヒャーを見つけ相談したところ、協働で実証実験に取り組むことになった。

 高圧洗浄機と作業をする人はケルヒャーが提供。植物の根に42度以上の温水を定期的にかけることで、植物の根のタンパク質構造を変異させ、育成障害を発生させて除草する。同様の方法は、これまで道路沿いの雑草除草などに使われてきたという。

 実験は町金武の川沿い、ツルヒヨドリが繁茂する場所で実施。奥行き2メートル、幅5メートルの範囲に高圧洗浄機で100度近い高水温を散布し、別の同じ大きさのエリアでは人が根を抜いて防除した。2~3週間後を目安に二つのエリアを比較して生育状況を確認し、追加の防除作業が必要かどうかなどを検討する。

 町農林水産課の金城貴也さんは、これまで取り組んできた人が根を抜くやり方では人手も労力もかかるとし「環境に優しく、効率的な新たな防除の手法として試していきたい」と期待する。「ケルヒャージャパン」の朝喜謙二さんは「沖縄本島北部が世界自然遺産に登録された。自然を守る活動を行いたい」と話した。環境省沖縄奄美自然環境事務所の小野宏治さんは「いろいろな防除法があると思う。実証実験で効果を見極めたい」と語った。