最高裁裁判官の国民審査の結果が1日発表され、辞めさせたいと×を付け罷免を求める率が沖縄は平均14・8%と、全国(6・8%)の2倍以上に達した。対象11人のうち、罷免率の上位には辺野古新基地建設の訴訟で県に不利な判断をした裁判官が並んだ。次いで夫婦別姓を認めなかった裁判官の罷免率が高く、二つ目の判断材料になったことがうかがえる。(編集委員・阿部岳、社会部・新垣玲央)

最高裁裁判官 国民審査の結果

 県内で最も罷免率が高かった深山卓也氏は辺野古新基地を巡る「国の関与」取り消し訴訟で裁判長を務め、県側の上告を棄却。2、3番目の林道晴、長嶺安政両氏はサンゴ移植訴訟で同様に県側の上告を退けた。

 4番目の岡村和美氏までは全員、夫婦別姓を認めない民法の規定を合憲とした裁判官だった。全国的にもこの4人に×を付ける運動があった。

 5~7番目の三浦守、草野耕一、宇賀克也の3氏は夫婦別姓を認める判断をしていた。加えて宇賀氏はサンゴ移植訴訟で反対意見を付け、県の対応に違法性はないと述べており、任命から日が浅い4氏を除いて罷免率が最も低かった。

識者も沖縄の動きに「非常に興味深い」

 国民審査に詳しい明治大学の西川伸一教授(政治学)は「沖縄は罷免率が突出して高く、最高裁に対する怒りが表れる一方、個々の裁判官の判断を吟味していることもうかがえる。非常に興味深い」と語る。

 ×以外を記入した無効票の割合は7・1%で、全国(2・4%)の約3倍。西川教授は「これまで一人も罷免されていない制度を欺瞞(ぎまん)と見なしているのかもしれない」と、関心の高さが表れた可能性を指摘する。

 「過去には罷免率が高かった裁判官が1票の格差に関して判断を変えたこともあった。最高裁は雲の上の存在と思いがちだが、辺野古にしても夫婦別姓にしても自分ごと。今回のように多くの人がよく考えて投票し、この大切な制度を実質化してほしい」と話した。