沖縄県うるま市の天願桟橋から北谷町のキャンプ桑江まで連なる米軍の燃料パイプラインで、2014年時点で燃料漏れなどを感知するシステムの約7割が機能していなかった問題で、パイプラインの周辺に住む地域住民からは、驚きと不安、米軍のずさんな管理体制に対する怒りの声が上がった。

沖縄本島中部を通る燃料パイプラインとガス感知器警報装置(VB)の場所を示す地図。キャンプ桑江(中央付近)や嘉手納基地、普天間飛行場(左下)などの基地を経由している(DLA報告書から)

米軍が2014年実施した検査で故障と判定され、問題は「重大」と報告されたパイプラインの感知装置(VB#19)=9月27日、沖縄市池原

沖縄本島中部を通る燃料パイプラインとガス感知器警報装置(VB)の場所を示す地図。キャンプ桑江(中央付近)や嘉手納基地、普天間飛行場(左下)などの基地を経由している(DLA報告書から) 米軍が2014年実施した検査で故障と判定され、問題は「重大」と報告されたパイプラインの感知装置(VB#19)=9月27日、沖縄市池原

■今もある「故障」装置

 米軍の14年の検査で「故障」と判定され、問題が「重大」と報告された沖縄市池原の感知装置「VB#19」は、現在も確認できる。装置は国道329号の交差点から約15メートル離れた場所にあり、歩道とアパートの駐車場に接している。金網と鉄条網で物々しく囲われており「DANGER・危険」と書かれた看板が複数設置されている。さらに「可燃性物質 50フィートの範囲内喫煙等火気厳禁」などの表示も英語と日本語で掲げられている。

 同装置の近くに住む女性(79)は「パイプライン関係のものだとは知っていたが、特に大きな問題もなく数十年過ごしてきたから気にしていなかった。そんなに危ないものだとは、びっくりだ」と眉をひそめた。時折、軍雇用員とみられる日本人職員が周囲の草刈りなどをしているといい「ちゃんと修理したのか、今も検査しているのか心配。米軍は早く明らかにしてほしい。事故が起こってからでは遅い」と話した。

 住民の生活地域の地下をパイプラインが通る、うるま市栄野比区の謝花スミ子自治会長は、これまでも燃料漏出や爆発などの事故が起きないか、不安を抱えながら過ごしてきたと話し「装置が壊れた状態のまま、住民が危険にさらされていたとは驚きだ。米軍の管理はあまりにもずさんすぎる」と憤った。

■燃料漏出なら汚染懸念も

 砂川かおり沖縄国際大講師(環境法) 米政府が1977年に検討した在日米軍基地への日本の環境法令適用を、在日米大使館が高額な費用を理由に拒んだことが公文書で明らかになっているが、今回の事案でも、予算を理由に95年以降に定められた日本環境管理基準(JEGS)に違反していた可能性がある。

 燃料によっては有害物質を含むものもある。過去には、福岡空港で米軍基地跡地に残ったパイプラインの周辺土壌からベンゼンや鉛による汚染が見つかった例もあり、燃料漏出による周辺土壌や地下水の汚染が発生している懸念もある。

 日米両政府は、沖縄に暮らす人々の生命、健康と生活環境を守る責務がある。14年の米国防省兵站(へいたん)局の調査報告書に基づく過去の事実関係と、現在の運用状態について速やかに説明すべきだ。